中学受験直前の時期に親が気を付けるべきこと

中学受験は親子で挑むもの 子どもにしてあげられること

中学受験を間近に控えた家庭では、親子に緊張が高まり「子どもとどう接すれば良いのかわからなくなった」と、戸惑ってしまうことが多いようです。

志望校や勉強法を子どもと一緒に選んで決めてきた親御さんにとっては、どんなに子どもが頑張ってきた姿を見ていても「本来の力を発揮できるかな…」と不安を感じてしまいますよね。

しかし、いろいろな局面を考えすぎてしまい、子どもに余計なプレッシャーをかけてしまうのは厳禁です。受験直前期には、これまで以上に子どものメンタル面についての配慮をしなければなりません。

そこで今回は、中学受験直前に親ができること、受験直前のメンタルケアについて詳しく解説します。やってはいけない行動なども合わせて紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。

中学受験直前に親ができること

3つの選択肢に迷う人

中学受験では、受験直前になると疲労感と焦り、緊張感と不安感で子どもは親と同じように混乱しがちです。心の持ち方次第では、些細なことで心が乱れにくくなります。ここでは、穏やかな気持ちで受験直前期を乗り切るために、親ができることを見ていきましょう。

勉強のペースや習慣を守らせる

中学受験直前期に入ると、子どもにも疲労が溜まっていますし、緊張や不安を抱えています。そこで勉強のペースや習慣を、今まで通り守るのがおすすめです。ペース配分を間違えると、かえって調子を崩してしまうこともあるので注意してください。

特に受験直前に子どもの成績が伸び悩んでいるときは、親の方が焦りを感じ、次のような考えを持ちがちです。

  • 家庭教師をつけるべき?
  • 睡眠時間を削って勉強させるべき?
  • 新しい問題集を買うべき?
  • 志望校別の出題傾向を踏まえた対策問題集を、繰り返し解く

幅広い学習を続けていると、不安で押しつぶされそうになります。今まで積み上げてきた頑張りの完成度を高めるためにも、出題傾向に沿った十分な演習を繰り返すことが大切です。

規則正しい生活リズムを維持して健康管理を徹底する

受験直前に親ができることの中で最も大切なことが、規則正しい生活リズムを維持し、子どもの健康管理を徹底することです。子どもの勉強時間が長時間にわたり、深夜にまで及ぶ生活習慣を許容してはいけません。

夜型の生活が定着すると、睡眠不足から勉強の効率が逆に落ちてしまいます。早寝・早起きといった規則正しい生活リズムや、栄養バランスのとれた食事で健康を維持できるようサポートしましょう。

「中学受験直前まできたら、じたばたしない」ことが大切です。当たり前のことを、毎日淡々とこなすことを心がけてください。

いかなる結果も受け止める心の準備をする

中学受験後も見据えて、いかなる結果も受け止められるように、親は心の準備をする必要があります。中学受験を終えて、第1志望校より低い学校にしか合格できないと、子どもより親のほうが引きずりがちです。

子どもの新しい門出を受け止めて、よい悪いと区別することなく喜べるように心の準備を整えておきましょう。中学受験は親子の二人三脚による作業なので、親の思い入れが強くなりがちです。しかし親が涙を流して悔しがったり、子どもを叱責したりするのは避けてください。

子どもに「中学受験に失敗した」という意識を植え付けるのは、親であって子ども自身ではありません。中学受験後に学習意欲がそがれたり、チャレンジに対して恐怖を感じたりするようになると、子どもが前に進みにくくなります。

子どもの応援団として明るく意識的に褒める

親ができることの中でも、子どものモチベーションに最も大きな影響を与えるのが意識的に褒めることです。時には面倒に感じるかもしれませんが、親は子どもの応援団を目指してください。親はどんと構えて、受験直前期こそ明るさを失わないことも大切です。

頑張りが認められると、子どもは「親が自分をいつも見てくれている」と感じられ、安心感につながるのです。その結果、親への信頼につながり「もっと頑張ろう」と子どもの意欲が高まります。

勉強面で「足りないことがあるのでは?」と心配すると、子どもにプレッシャーばかり与えがちです。そこで「こんなにできることがある!」と子どもが思えるように応援しましょう。

中学受験は人生の通過点だと認識する

中学受験で、子どもの将来が決まることはありません。その子どもの意欲や努力で将来の方向性が決まります。受験直前期には、中学受験とは子どもの人生の一通過点に過ぎないことを再認識しておきましょう。

中学受験が原因で、親の視野が中学受験中心に狭まることは避けたいものです。

併願の戦略を練り直す

中学受験において合格率は大変低く、全部落ちてしまう可能性も実際にあり得ます。逆にいえば、中学受験は非常に厳しい世界だということを、親は決して忘れてはいけません。

そこで受験直前期には、子どもの実力を見極めた併願の戦略を練り直す作戦も必要になります。子どもの模試の成績を見て、合格の可能性が高い学校の中から併願校を選ぶのがよいでしょう。

中学受験では、親が主導で学校を決めることが多くなりますので、綿密な作戦を立ててあげてください。

子どものメンタル面に配慮した受験直前期の過ごし方

土から芽が出る

中学受験を控えた直前期の1月頃になると、子どもは不安や緊張を強く感じ、メンタル面に不調を抱えがちです。実際に疲労と焦りで頭が真っ白になったり、家族に八つ当たりしたりする子どもが出てきます。

親はサポート役に徹して、子どものメンタルケアを意識した行動を心がけることが大切です。ここでは、受験直前期の子どもとの過ごし方を見ていきましょう。

長期間の頑張りを認め温かく見守ろう

親は子どもの長期間の頑張りを素直に認め、温かく見守ることが大切です。受験直前になると受験生である子どもは、親とは比較にならないほどの緊張感にさらされています。そこで、子どもにプレッシャーをかける言葉は慎みましょう。

親が不安に感じるからといって「絶対に合格!」「もっとできる」といった声かけは控えてください。時にはおやつの時間をとったり一緒にお出かけをしたり、気分転換も必要です。

毎日の生活全般を明るくサポートして、当たり前の日常を過ごせるようにすれば子どものメンタルも落ち着いてくるでしょう。

苦手単元を深追いさせない

直前期の勉強は、得点を得やすい単元・科目を中心に行う発想が大切です。中学受験の合否は、4教科の総合点で決まります。つまり、たとえ苦手な単元があったとしても、他の得意とする単元や教科で得点し補えればよいわけです。

苦手な単元を克服できないからといって、直前期に自信まで失わせるような声かけや勉強法は避けましょう。

子どもが合格をイメージできるお手伝いをしよう

子どもが志望校合格を無理なくイメージできるよう、陰ながらお手伝いすることが大切です。例えば、スムーズに試験会場に到着できるように事前準備をすませておきます。試験当日に準備不足で慌てないためにも、当日の動きをイメージトレーニングしておきましょう。

子どもが自己肯定感や自信をもてるよう「あなたなら大丈夫!」と声かけをしてあげてください。受験当日に、一読すると難しそうでも「丁寧に問題文を読めば解けるはず」と思えれば、子どもは中学受験で力を発揮できます。

中学受験に失敗する理由に関しては、当ブログの「中学受験に失敗する理由とは?親がとるべき子へのサポートや対策」という記事に詳しく載っていますので、そちらも参照してください。

親がやってはいけない行動とは

きれいな皿に盛られたチェリー

中学受験において親ができることは、栄養や勉強・睡眠時間の管理だけではありません。ブレない姿勢を子どもに見せることも、子どものメンタル面の安定に大きな影響を与えます。ブレない姿勢とは、決めたこと、あるいはいったことを確実に実行することです。

親のブレた行動は子どもに悪影響を与える

次のような親のブレた行動が積み重なると、親は子どもからの信頼を失い、中学受験がうまくいきません。

  • 親が必要な提出書類を期限までに出さない
  • 「偏差値◯◯以下は受験しない」という方針を突然変更する
  • 受験の専門家によるアドバイスにまったく耳を貸さない

「親がルールを守れない」「自身の不安感から方針を変える」「我慢が足らずアドバイスを活かせない」のは子どもに悪影響です。

やる気を失わせる声かけや行動を慎む

次のような声かけや行動も、子どもがやる気を失うので注意してください。

  • よその家の子どもと比べる
  • 「叱る」のはなく「怒り」をぶつける
  • 人格を否定する叱り方

よその家に流されてしまっては、子どもは中学受験で力が発揮できません。「よそが◯時間も受験直前の追い込みをしているのだから、あなたも…」といった声かけは不要です。

子どものメンタルケアを忘れずに

特に小学校高学年くらいの子どもは、身体やメンタルの調子がすぐれないのに気づかないということも多いものです。中学受験を目指す子どもの健康管理やメンタルケアは、親御さんの大切な役割です。

日頃からの栄養バランスのとれた食生活や、正しい生活リズムなどを心がけ、子どもの一番の応援団として、明るくサポートすることを忘れず、子どもと一緒に中学受験を成功させましょう。

中学受験で子どものサポートする上でやってはいけない行動について、もっと詳しく知っておきたいという方は、以下の記事をおすすめします。子どものやる気や学力を上げる7つのポイントについても解説しています。