短大や高専から大学編入は可能?大学編入が可能な4つのケースを解説

大学編入の気になるを解説! 編入学可能なケースは?

大学編入は大卒資格を得られることから、就職など卒業後のステップアップにつながります。高専・短大・専門学校に在学中に深く研究したいテーマが見つかったり、本当に進みたい方向性がはっきりしたりした場合に有効な選択肢です。

大学編入を成功させるポイントを把握して、しっかり試験対策をしましょう。今回は大学編入の概要や大学編入可能な4つのケースをご紹介します。

そもそも大学編入とは?

ホワイトボードと色ペン

ここでは大学編入のメリットや概要について見ていきましょう。

大学編入のメリットとは

大学編入は短大・高専・専門学校・大学などから可能です。大学編入を成功させるメリットとしては、次のような点が考えられます。

  • 現役時代に合格した大学よりランクアップした大学に通える
  • 大卒資格を得られることから、就職・転職の書類審査などで有利に進められる
  • 給料の基本給がアップする
  • 学歴コンプレックスがなくなる
  • 興味のある分野を専門的に深く追求する機会を得られる

編入学試験のスケジュール

大学編入学試験の実施時期は、一般入試のようにパターンが決まっていないため志望校・学部別に積極的に情報収集する必要があります。

試験日は大学によって異なるほか、同じ大学・学部でも編入学試験の実施年によって試験日程が1か月以上ずれることがあるため注意が必要です。

以下の点に留意しながら、情報を収集すると良いでしょう。

  • 年1回実施されるケースでは年内に実施されることが多い
  • 学部単位で編入学試験は実施される
  • 同じ大学であっても学部によって試験日程が異なる
  • 私立大学では年に2〜3回、編入学試験を実施することがある
  • 推薦編入学は試験時期が早い場合が多い
  • 国公立理工農学部は試験時期が早く6月頃からスタートする
  • 国公立社会系・人文系学部は9月頃からスタートする
  • 私立大学についてはパターン化されていない

なお情報収集の際にはインターネットが便利ですが、大学によっては公式ホームページに情報を掲載しないこともあります。志望大学・学部が決まっていれば、手間はかかりますが直接電話をして情報収集する積極性も大切です。

大学・学部によっては受験できない場合も

一般入試と異なり、大学編入では大学・学部によっては受験できない場合があります。その理由は以下のとおりです。

  • 学生を募集していない学部・学科もある
  • 学部・学科によっては募集対象が限定されていることがある
  • その年の欠員状況で編入学試験実施の有無を決定される場合がある

編入学試験は毎年実施されるとは限らない

編入学試験は、毎年決まって実施する大学・学部・学科ばかりではありません。中には、次のような大学があります。

  • その年によって編入学試験の実施学部・学科が変更になる
  • 年によって試験実施の有無が変更になる
  • 併設短大からの内部編入、内部生の学部・学科移動のみ実施する

編入学試験のスケジュールに関しては、当ブログの「大学編入試験の時期はいつ?準備はどのタイミングから始める?」という記事に詳しく載っていますので、そちらも参照してください。


大学編入が可能な4つのケース

時計とカレンダー

大学編入が可能な4つの主なケースは、以下のとおりです。それぞれ「修了見込み」も含んでいます。

  • 短期大学卒業者
  • 高専卒業者
  • 専門士取得者
  • 大学1年あるいは2年以上在学で所定の単位を取得者

では、それぞれのケースについて見ていきましょう。

短大から大学へ編入学する

高校卒業時点では将来のビジョンがうまく描けず、短大へ進学してから自分の研究テーマを見つける人も多いでしょう。短大を卒業、あるいは卒業見込みであれば大学編入を目指せます。「短大」には外国の短大も含まれるため、大学編入は帰国子女の方も利用しやすい制度です。

短大から大学へ編入する方法は、主に4つあります。

  • 指定校推薦編入学
  • 公募推薦編入学
  • 併設短大から大学への内部編入
  • 編入学試験で選抜される一般編入学

短大の中には、英語や小論文の対策講座を開講して支援しているところもあるので、ぜひチェックしてみてください。高校で進路を選択する際には、編入学する可能性を考えて積極的に編入学支援を実施している短大を選ぶのも1つの方法です。

なお短大1年生(修了見込み)で編入学試験に出願できる大学は少なく、基本的には卒業(見込み)が出願資格となります。

高専から大学へ編入学する

高専を5年かけて卒業後、さらに進学を希望する場合には大学へ編入する道が開かれています。高専卒業後、国公私立大学工学部などの3年次(大学によっては2年次)に編入可能です。高専卒業見込みを出願資格として実施される推薦入試も、短大同様にあります。

高専から大学へ編入するメリットは、大学入学共通テストを受けずに東京大学や京都大学など有名国公立大学を受験できることです。両大学の公式サイトをみると、高専の在卒生向けに特別に門戸を開いていており、チャレンジのしがいがあります。

なお、高専から大学編入を目指す際の注意点は以下のとおりです。

  • 募集人員は「若干名」とされていることが多く、授業についていける専門科目の学力を要求されるため合格への道のりは簡単ではない
  • 工学部など理系学部への編入学の道は開かれているが、別の分野への進路変更は難しい
  • 3年次編入を想定していたら、編入後に単位認定が少なく2年次編入となるケースがある

3年次編入の場合には、普通の高校から大学進学した人と同じ時期に大学生活を送れるためタイムロスは生じません。しかし2年次編入となると、1年分余分に学費がかかるので注意が必要です。

専門学校から大学へ編入学する

専門学校の在校生や卒業生も、大学編入は可能です。以下の、法令上の根拠を満たしていることが必要になります。

専修学校の専門課程(修業年限が2年以上、総授業時数が1,700時間以上又は62単位以上であるものに限る)を修了した者(学校教育法第132条)

つまり「専門士」の称号を取得見込み、あるいは取得済みであれば基本的に大学への編入学資格を認められるわけです。

つまり、以下に相当する方の大学編入は認められません。

  • 専門学校を中退した
  • 上述の要件を満たさない専門学校の在卒生

高校で進路を選択する際には、編入学する可能性を考えて専門士の称号を付与される専門学校を選んでおくのも1つの方法です。

大学から他大学へ編入学する

高校卒業時点で一般入試の行方を見ながら、2年次編入の準備を始める方もいます。志望していたランクの大学・学部に入学できなかった場合に編入学でランクアップを目指す方法です。

国内外の4年制大学に通っていれば、編入前の大学1年の時点で2年次編入の出願資格が得られます。1年生で志望校の2年次編入学試験に合格すれば、合計4年で卒業できるため時間のロスは発生しません。

2年次編入は、大学でやりたいことがあり教育課程の履修や長期留学を検討している方におすすめです。

大学編入についてよくある質問

木枠に収められたFAQ

ここでは、大学編入についてよくある質問をご紹介します。

編入学試験のハードルは高い?

編入学試験の情報量は一般入試と比べて非常に少ないため、独学で対策するとハードルが高く大変だといえます。現在在学中の学校の単位を取得しながら、自ら積極的に大学編入にまつわる情報収集をし、受験対策をしなければなりません。そもそも周囲で大学編入を経験した人もほとんどいないことから、誰も導いてくれず手探りで進むことになります。

過去問をようやく入手できたとしても、解答が示されていないことがほとんどです。さらにある程度の英語のレベルを求められるほか、編入することから専門科目についていく学力があるかどうかみられます。

小論文や志望理由書など明確な解答のない科目に取り組む必要があることから、選考にあたって大学が何を重視しているのか、評価のポイントを自分で試行錯誤していると時間が足らなくなるでしょう。

そこでライバルに差をつけるためにも、「大学編入試験サクセス」で効率よく志望校・学部別に「志望理由書と小論文」の直前対策をするのがおすすめです。

大学中退や通信制の大学から受験できる?

大学編入では、編入前の学校で必要な単位を取得しているかどうかがポイントです。大学を中退していても、いくつかの例外を除いてほとんどの大学の編入学試験を受けられます。通信制大学の在卒者も同様に受験可能です。

志望校の編入学試験要項を読んでも受験・出願資格があるかどうか不明な場合は、諦める前に志望校に直接確認すると良いでしょう。

大学編入を成功させるポイントとは?

編入学試験に合格するポイントは、主に次の2点です。

  • 志望校・学部別に情報収集し、それぞれの出題傾向をおさえて対策する
  • 選考で重視されている志望理由書・小論文を徹底対策する

編入学試験は、大学入学共通テストのように統一された試験ではありません。個別の大学ごとに出題傾向が異なります。

志望理由書や小論文対策では、大学側に「ぜひ入学してほしい」と思わせるような「熱意の伝え方」や「論理的で説得力のある伝え方」を習得することが大切です。面接試験のある大学では志望理由書をベースに質疑応答が行われるため、面接試験を想定しながら書くこととコピーをとっておき予行練習する必要があります。

文章を書くのが苦手でモチベーションの維持に悩んでいる人は、長年培ったノウハウをもとに作成された「大学編入試験サクセス」を役立ててください。きっと正しい頑張り方が見つかるでしょう。

大学編入は運もある?

編入学試験では、その年によって大学側の都合でたくさん合格したり受験者自体が少なかったりと、合格には実力以外の要素が絡んでくることがあります。前年の合格者数はあまり参考にならないので、合格者数で学校を選ぶのは賢い選択とはいえません。

筆記試験の出来はボーダーラインでも、志望理由書や面接で見せた熱意が認められて合格するケースもあります。憧れの大学があれば、後悔する前にチャレンジしてみることが大切だといえるでしょう。

情報収集を徹底して大学合格を目指そう

大学編入は、志望する大学・学部・学科で編入学試験が実施されるかどうかわからないため、積極的に情報収集をする必要があります。現在在学中の短大・高専・専門学校・大学で単位を取得しながら志望する大学への編入を目指すため、効率よく対策することが大切です。

編入学試験の合格を目指す方は、志望校・学部別に対策できる「大学編入試験サクセス」をぜひご検討ください。