大学編入は、現在の大学から他大学への編入のほか、短大や専門学校卒業後の編入、大卒者の学び直しなど、目的によっていろいろな選択肢があります。
大学編入試験は、大学の一般入試と募集時期が異なります。必要な勉強時間や準備の期間を知り、大学編入試験の対策に役立てましょう。
今回は、大学編入試験の募集や準備の時期、必要な勉強時間、有効な対策方法をご紹介します。
大学編入試験はいつから?スケジュールを解説
大学編入試験の勉強をいつはじめるかは、大学編入試験の試験時期に合わせて調整することが重要です。自分が受験する予定の大学編入試験のスケジュールは、事前に確認しておきましょう。
大学編入試験は、以下の要素によっていつ試験が実施されるかが異なります。
- 希望する編入年次
- 希望する大学
- 希望する学部
それぞれの要素について解説します。
2年次編入か3年次編入かで受験時期が異なる
大学編入には、2年次編入と3年次編入があります。2年次編入、3年次編入ともに所定の単位を取得していることが、大学編入試験受験に必要です。
- 2年次編入 … 大学2年生へ編入する。必要単位の目安は30単位程度
- 3年次編入 … 大学3年生へ編入する。必要単位の目安は60単位程度
2年次編入が選択肢となるパターンは、以下の通りです。
- 在学中の大学から他の大学へ2年生から編入する
- 大学、専門学校、短大などを卒業済みまたは中退などで必要単位が60単位に満たない
3年次編入が選択肢となるパターンは、以下の通りです。
- 在学中の大学から他の大学へ3年生から編入する
- 在学中の専門学校、短大を必要単位を満たした形で卒業見込みであり、卒業後に大学3年生へ編入する
- 大学、専門学校、短大などを卒業済みで必要単位を満たしている
現在大学に在学中で他の大学への編入を検討している場合は、2年次編入か3年次編入かで編入試験を受験する時期が異なります。
- 2年次編入の場合 … 大学1年生で編入試験を受験
- 3年次編入の場合 … 大学2年生で編入試験を受験
2年次編入か3年次編入かで受験勉強をいつはじめるかが変わります。
希望する大学によって募集期間や試験日が異なる
大学編入試験は、国公立大学でも私立大学でも募集があります。ただし、大学によって募集する編入年次や募集人数が異なるため、注意が必要です。
たとえば、3年次編入を受け入れている大学の中には、2年次編入を募集していない大学もあります。国公立大学の場合、2年次編入は行っていない場合もあります。
大学によって、編入試験の募集や実施時期が異なります。受験したい大学の編入試験の実績を確認した上で、受験準備を進めていきましょう。
希望する学部によって募集期間や試験日が異なる
受験する大学のほか、どの学部を受験するかによっても編入試験の募集期間や試験日が異なります。受験する大学の編入試験実績を確認し、大学編入試験の受験スケジュールを組みましょう。
文系、理系ごとの大学編入試験のスケジュールは、一般的に以下の傾向となっています。
- 文系 … 5~8月募集要項の公開、8~11月編入試験実施
- 理系 … 3~5月募集要項の公開、6~8月編入試験実施
大学では、編入試験実施日の2~3か月前に募集要項を公開するパターンが多くなっています。ただし、年度によって編入試験を実施する学部が変更になったり、編入募集が停止になったりする場合もあります。受験を希望する大学の情報をつねに確認するようにしましょう。
2年次編入と3年次編入の違いに関しては、当ブログの「2年次編入と3年次編入の違い・どちらを目指すべき?」という記事に詳しく載っていますので、そちらも参照してください。
大学編入試験合格に必要な勉強の内容や量
大学編入試験に合格するには、受験する年次、大学、学部の試験日に合わせて学習計画を立て、勉強を進めなければいけません。大学編入試験合格のために、いつから勉強をはじめるか、必要な勉強量はどのくらいかについて解説します。
大学編入試験は専門性が求められる
大学編入試験の内容は以下の通りです。
- 英語
- 専門科目
- 小論文
- 面接
英語+専門科目、英語+専門科目の小論文など、具体的な出題内容は受験する大学によって異なります。いずれの場合も、大学の一般入試試験よりも受験科目数は少ないのが特徴です。
受験科目数は少ない一方、科目の専門性に特化した内容が出題される傾向にあります。試験のスタイルも一問一答式ではなく、記述式です。英語はTOEICやTOEFL、英検など外部資格のスコアや級が参照されることもあります。
大学一般入試よりも勉強する範囲は狭くなるものの、より専門的な知識を得るための勉強が必要です。
TOEICやTOEFLの対策が必要
大学編入試験では、英語の試験を実施しない代わりにTOEICやTOEFL、英検のスコアや級を参照する大学もあります。自分が受験を希望する大学にはTOEICやTOEFL、英検の実績は不要でも、各資格を受験しスコアや級を取得しておくことがおすすめです。
大学編入は、併願もできます。受験したい大学のレベルを上げたいときや併願したい大学が出た場合、編入試験でTOEICやTOEFL、英検の実績が求められる可能性があります。各資格の対策および受験をしておくことで、編入試験で受験できる大学の選択肢を広げられるでしょう。
大学編入試験への勉強は1年前からが目安
大学編入試験の勉強はいつからはじめるのが良いかといえば、「1年前からはじめ、半年で仕上げる」ことが目安となります。
一般入試で志望校に落ちてしまったなど、他大学への2年次編入を目指す場合、大学1年生になってからすぐ、早い場合は受験が終わった高校3年生の3月ごろから勉強をはじめることになります。
3年次編入を目指す場合は、大学や短大、専門学校2年生になってすぐ(4月ごろ)からはじめる人が多い一方、1年生のうちから英語や小論文の対策をはじめ、2年生から専門科目の対策をはじめるパターンもあります。
早めに準備をすればするほど大学編入試験合格の可能性が高くなります。
大学編入試験合格に必要な4つのポイント
大学編入試験に合格するために必要となる4つのポイントは、以下の通りです。
- 将来のビジョンを持っておく
- TOEICやTOEFL、英検の対策をする
- 大学編入試験の過去問と参考書を活用する
- 小論文や面接の対策をする
それぞれのポイントについて解説します。
将来のビジョンを持っておく
大学編入試験は一般入試よりも受験科目は少ないものの、募集人数が少ないため狭き門となります。大学編入試験のモチベーションを保つためには、将来のビジョンをしっかり持っておくことが重要です。
- 何の目的で編入するか
- 編入後大学で何をするか
- 卒業後何をするか
「希望する大学へ入りたい」「大卒資格が欲しい」「専門学校や短大で習ったことをもっと専門的に学びたい」など、大学編入の目的は人それぞれです。漠然とした理由では、大学編入試験を途中であきらめてしまうこともあるでしょう。
また、編入試験で面接が実施される大学では「なぜこの大学に編入しようと思ったのですか」と質問されることが想定されます。将来のビジョンを持っておくことは、面接対策の上でも有効となるでしょう。
目的や大学編入後、卒業後はどうするかを明確にした上で、大学編入試験へ臨むことが重要です。
TOEICやTOEFL、英検の対策をする
編入を希望する大学や学部によっては、英語の科目試験のほかTOEICやTOEFLのスコア、英検の取得級が求められる場合があります。専門科目の勉強とともに、TOEICやTOEFL、英検の対策を行い、スコアや級を取得しておきましょう。
大学編入試験の過去問と参考書を活用する
大学編入試験の過去問は、大学入試センターや編入を希望する大学などへ問い合わせをすれば入手できます。ただし、問題だけで解答は公開されていません。大学編入試験の試験内容は、一問一答式やマークシート式ではなく、設問に対して論述を行う記述式のためです。
単純な暗記ではなく、専門的な知識や自分の意見が求められる大学編入試験対策には、記述への対策が必要となります。参考書を活用し、記述式への対策を行いましょう。
小論文や面接の対策をする
大学編入試験は、受験する大学や学部によって一般的な内容を論述する小論文や面接が実施されることもあります。小論文や面接対策のための参考書を活用するなどして、英語や専門科目と併用して対策をしておきましょう。
大学編入試験はスケジューリングと対策が重要
大学編入試験のスケジュールや試験の内容、必要な勉強、大学編入試験合格に必要なポイントを解説しました。
大学編入試験を目指しいつから勉強すればよいかは、編入を希望する年次や大学、学部によって異なります。受験を希望する大学の編入試験に関する情報を入手し、必要な勉強を計画的に進めていきましょう。