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小学校受験では、国立でも私立でも必ず面接があります。小学校受験の面接対策は、質問の意図を理解して回答をすることや、面接にふさわしい服装にすることなどが重要です。
今回は、小学校受験の面接を実施する目的や面接形式に加えて、面接にふさわしい親子別の服装や態度、面接で良くされる質問を回答例や受け答えのポイントとともに解説します。
小学校受験で面接を実施する目的
小学校受験では、以下の5つのポイントを学校側が把握するために、面接が実施されます。
- 子どもの人柄
- 教育方針
- 親子の関係や家庭状況
- 志望の理由
- 子どもの適性
それぞれのポイントについて解説します。
子どもの人柄
小学校受験では、子どものありのままの人柄を把握するために面接を行います。小学校受験をする学校側は、入学する子どもに対して充実した学校生活を送ってほしいと考えていることがほとんどです。
子どもの素直な人柄を把握するために、面接では以下のポイントに沿った質問が行われます。
- ・子どもが何を日常的に考えているか
- ・子どもが何に興味を持っているか
- ・積極的に学校生活を楽しもうとしているか
- ・普段友だちと何をして遊んでいるか
教育方針
保護者の考えと学校の教育方針に大きな違いがないかを確認するためにも、面接は行われます。保護者に対しては、以下のポイントに沿った質問が出されます。
- 家庭の教育方針は何か
- 子どもにどのようなしつけを行っているか
親子の関係や家庭状況
小学校受験において面接は、合否を左右する重要なものです。ただし、模範的な回答をするだけでは合格につながりません。逆にうまく回答できなくても、親子の間で信頼関係ができている、温かい家庭環境であることが判断されれば合格となることもあります。
面接での回答内容だけでなく、子どもや保護者の態度や答え方によって以下のポイントが判断されます。
- 親子で信頼関係ができているか
- 家庭環境は明るい、楽しい、温かいものか
- 親子ともにアピールし過ぎず、謙虚さはあるか
志望の理由
小学校受験の面接では志望動機や理由についても質問されます。志望動機や理由からは、以下のポイントを把握します。
- 学校への熱意
- 学校の校風や宗教、教育理念への理解度
- 学校への研究度
- 入学を希望する熱意
子どもの適性
小学校はそれぞれに独自の校風があります。入学後、子どもが問題なく小学校生活が送れるかを判断するのも、面接が行われる目的のひとつです。以下のポイントを面接によって判断し、子どもの適性を見極めます。
- 相手の話を聞いて理解する力
- 自分の考えを相手に伝える力
- 姿勢や言葉遣いなどの態度
- 基本的な生活習慣
小学校受験のおもな4つの面接形式
小学校受験の面接対策をする前に、受験する小学校の面接形式を把握しておくことも重要です。小学校受験の面接には、おもに以下の4つの形式があります。
- 幼児面接
- 両親面接
- 親子同伴面接
- 集団面接
それぞれの面接形式について解説します。
幼児面接
幼児面接とは、子どもがひとりで受ける面接です。面接は以下のパターンいずれかで実施されます。
- 個別テストや制作中に質問される
- 両親面接と一緒に実施され、子どもと両親別室でそれぞれ面接を受ける
事前にテストや両親面接を行い、合格したら幼児面接を行う場合もあります。面接の所要時間や質問数も、受験する小学校によって異なります。
子どもひとりで面接を受けることで、子どもの素直な姿や人柄を把握するために行われます。
両親面接
両親面接とは、両親に対して2~3人の面接官が実施する面接です。保護者面接とも呼ばれています。両親面接は、以下のパターンで実施されることが多くなっています。
- 試験日より前に実施される
- 試験日または幼児面接と同日に実施される
- 試験期間中のいずれかに行われ、受験番号などで面接日を指定される
質問される数は2~3と少ない一方、質問に対して詳しい内容の説明が求められることもあります。近年では、父親が子どもの教育に対して関心があるかどうかも見られる傾向にあります。
親子同伴面接
保護者と子どもが一緒に受ける面接です。面接は以下のパターンいずれかで実施されます。
- 試験日の前に実施される
- 試験日当日または試験日以降に実施される
- 試験期間内に指定されて実施される
試験期間が長い場合、他に受験する小学校の願書提出日や試験日と親子面接の日が重なってしまう可能性もあります。あらかじめ願書を提出する日を調整するなど、計画的に小学校受験を進めていくのが重要です。
親子面接では、回答内容だけでなく子どもが答えられなかったときに両親はどう反応するか、なども見られています。子どもはもちろん、保護者にも面接対策が必要です。なお学校によっては保護者1名のみの参加でも可能としているところもあります。
集団面接
集団面接は、他の親子同士で同じ面接を受ける形式です。特に国立の小学校では集団面接を実施していることが多くなっています。集団面接は、以下のようにいろいろな方式があります。
- 複数の親子それぞれに同じ質問がされる
- 面接官がグループ全体に質問を投げかけ「答えられる方はいますか?」と回答を募る
- 指定された机ごとに座り、課題に取り組む
集団のため、他の親子の回答に圧倒されたり、動揺したりすることもあるでしょう。自分の意見をしっかり持ち、落ち着いて回答できるように準備をしておくことが重要です。
学校受験の日程に関しては、当ブログの「小学校受験の日程を調査!受験対策はいつから始める?」という記事に詳しく載っていますので、そちらも参照してください。
小学校受験の面接にふさわしい服装や態度
小学校受験では、回答の内容だけでなく服装や態度も印象を決めるポイントとして重視されます。小学校受験の面接にふさわしい子どもと保護者の服装と態度をそれぞれ解説します。
子どもの服装と態度
小学校受験の面接にふさわしい子どもの服装は、落ち着いた雰囲気の洋服です。ブランド名が大きい、フリルなどの華美な装飾がついたものは避けましょう。男女それぞれの服装のポイントをまとめました。
子どもの性別 | 子どもの服装のポイント |
男子 | ・スーツとシャツが定番。ネクタイはつけなくても問題ない ・ポロシャツ、ベスト、短パンでも可 ・真面目、フォーマルな印象を大切にする |
女子 | ・ブラウスとジャンパースカート+ボレロやカーディガンが定番 ・スカート丈は膝が隠れる程度。短いものはNG ・カジュアルすぎず、フォーマルな印象を大切にする |
子どもの面接時の態度で気を付けたいポイントは、以下の通りです。
- 入室時は大きな声ではっきり挨拶をする
- 「どうぞ」といわれてから椅子に座る
- 姿勢を正しくする
- 分からないときは「分かりません」とはっきり意思表示する
- 舌を出す、顔をしかめるのはNG
- 返事は「うん」ではなく「はい」
保護者の服装と態度
小学校の面接でふさわしい保護者の服装のポイントを、父親・母親それぞれでまとめました。
保護者 | 保護者の服装のポイント |
父親 | ・一般的な無地のスーツ、色は紺が無難 ・シャツは白の無地が無難 ・ネクタイは無地 ・新品またはきれいに手入れした革靴を合わせる ・ブレザーは避ける |
母親 | ・スーツまたはワンピース ・濃紺やグレーなど、落ち着いた印象の色 ・パンツスーツよりもスカートの方がやわらかい印象になる ・スカート丈は座ったときに膝が出ない長さ ・体のラインが出過ぎないものにする ・派手な色は避ける ・カバンはブランドがはっきり分かるものは避ける |
保護者の面接の態度で心がけておきたいポイントは以下の通りです。
- 入退室時はっきりとした声で挨拶する
- 明るい表情を心がける
- 落ち着いた物腰を意識する
【子ども編】小学校受験の面接で良く聞かれる質問と回答例
小学校受験の面接で子どもが良く聞かれる質問を、回答例とポイントとともに解説します。
住所と電話番号を教えてください
【回答例】
「住所は○○市○○町××です、電話番号は○○です。」
「住所と電話番号はまだ覚えていませんが、○○町です。××小学校の近くです。」
小学校への通学経路によっては、子どもがひとりで電車やバスに乗る必要もあるでしょう。子どもに住所と電話番号を聞くのは、子どもに緊急時の配慮がされているか、保護者が危機意識を持っているかどうかを見極めるためです。
正しい住所や電話番号を正確に覚えられなくても、面接官の質問を正しく判断し、自宅の具体的な場所を回答できれば好印象となります。
どんなときに親に叱られますか
【回答例】
「食事のときにヒジをついてしまっていたときです。」
「テレビを見るときに近づきすぎていたときです。」
「すぐに寝ないで夜遅くまで起きようとしていたときです。」
何で叱られるかを聞くことによって、家庭でのしつけや教育方針、環境について確認します。しつけやマナー、約束事を破ったときに対して叱られると回答した場合は好印象です。
一方「ピアノを間違えたとき」「塾のテストで100点を取れなかったとき」など、親の都合が悪いときに叱られると回答してしまうと、印象は悪くなってしまうでしょう。
友だちのもの(おもちゃ、本など)を壊してしまったらどうしますか
【回答例】
「友だちに謝ります。それからお母さんや先生に相談します。」
この質問からは、子どもの優しさや家庭でのしつけを判断します。友だちにすぐに謝ることで、悪いことを素直に認められる人柄が判断されます。その上で周りの大人に相談することで、周囲の大人との信頼関係ができていると判断されるでしょう。
「同じものを買って返します」など、すぐにものを買い与えているように判断される回答は避けましょう。
【保護者編】小学校受験の面接で良く聞かれる質問と回答例
小学校受験の面接で保護者が良く聞かれる質問を、回答例とポイントとともに解説します。
(父親に対して)休日はどのように過ごしていますか
【回答例】
「平日子どもと過ごせる時間はわずかなため、休日はできるだけ一緒に過ごす時間を持つようにします。近頃は公園でキャッチボールをしたり、家でトランプ遊びをしたりすることが多いです。」
家庭において、父親の役割をどのように考えているかが判断されます。「仕事で忙しく休養を取ることが多いです」など、忙しいからといって家族と接する機会を持っていないと判断される回答は避けましょう。
(母親に対して)ご主人と意見が異なった場合はどうしますか
【回答例】
「日頃から夫婦で会話をするようにしています。ときどき意見が異なることもありますが、お互いの意見を尊重し、理解し合うように積極的に話し合うようにしています。」
「主人は家のことは任せてくれていますが、万が一異なる意見がある場合にはしっかりと耳を傾けて、話し合う機会を持つようにしています。」
家庭環境や夫婦の役割分担を図るための質問です。夫婦間で協力関係がある、円満であることが判断できる回答をしましょう。
本校にどのようなことを期待されますか
【回答例】
「貴校の学校説明会に参加し、学校方針である『文武両道』に大変感銘を受けました。息子は3歳からはじめたスイミングを頑張っています。貴校に入学した際には、ただ自分の好きなものだけを頑張るのではなく、今後必要となる生きていく力を身につけた、調和のとれた人間に成長していけると期待しています。」
学校への志望動機や熱意を図るための質問です。具体的に期待している内容を回答することで、志望する小学校への研究を充分に行っていることや、熱意が伝えられます。
小学校受験の面接対策は質問の意図を把握すること
小学校受験の面接の目的や形式、ふさわしい服装と態度、質問の回答例とポイントを解説しました。
小学校受験の面接は、模範解答をただ暗記するのではなく、質問の意図を把握した上で適切な回答をするのが重要です。記事で紹介した以外の、予想していなかった質問がされる場合もあります。
小学校受験の面接対策の質問回答集や参考書も参考にすれば、より万全な対策につながります。しっかりと親子で準備をした上で、小学校受験の面接に挑みましょう。