近年では、小学校受験の人気が高まっています。国立あるいは私立にすべきか、小学校受験の最新事情や志望校選びのポイントが気になっている方も多いでしょう。小学校受験では、スクールカラーをよく考慮して志望校を選ぶことが大切です。
今回は小学校受験の人気が高まる理由、国立小学校の概要や適性のある子ども・保護者の特徴、志望校選びのポイントを紹介します。
大人気の小学校受験!注目度の高い小学校とは?
難関大学へ進学できる学力はもちろん、語学力やコミュニケーション能力、さらに子どもらしい冒険心も身につけてほしい…最近では小学校受験に期待を寄せる保護者が増えています。
ここでは、小学校受験の人気が高まる理由や、志望校として注目される小学校の特徴について見ていきましょう。
小学校受験の人気が高まる理由とは
近年、小学校受験の人気が高まっている理由は、主に次の2つです。
- 世界的感染症の影響
- オンライン学校説明会の普及
世界的な感染症の拡大に伴い、日本では緊急事態宣言が発出され全国の小学校が休校となりました。保護者の不安が広がる中、私立小学校においてはオンライン授業を取り入れるなどの対応が早かったことから、保護者の信頼の差につながっています。
さらにテレワークが普及し、必要であればよりよい教育環境を求めて都心から郊外へ家族で移り住むことも可能になりました。
授業だけでなく、学校説明会や出願もオンラインで実施されるようになったことも、私立小学校の人気に影響を与えています。従来の学校説明会は、新入生の受け入れが落ち着いた5月頃に校内で実施されていたことから、限られた保護者しか参加できませんでした。
しかし今ではオンラインでさまざまな学校説明会を視聴できるため、小学校受験を目指す保護者の掘り起こしにつながっています。
志望校として注目される小学校の特徴
小学校受験において、志望校として人気がある学校は次のような特徴を備えています。
- 難関エリート大学の系列に属している
- 伝統と格式を兼ね備えている
- 進学実績が高く中学受験に強いとされる
- 周囲の豊かな自然環境に触れられるなどの特徴ある教育を行う
- 「医学・難関大コース」が系列中高にあり、医学部進学の道が開けている
国立小学校の概要と適性のある子ども・保護者
私立小学校には、創立者の建学の精神に応じた多様なスクールカラーがありますが、国立小学校はどのような目的で設置されているのでしょうか?
ここでは、国立小学校の概要と国立小学校向きの子どもや保護者について見ていきましょう。
そもそも国立小学校とは
国立小学校とは、国立大学法人法および大学設置基準を根拠に設置された、国立大学・学部の附属学校です。国立小学校は、次のような使命と役割を担っており、大学や教育学部の研究からうまれた最先端の授業を受けられるのが特徴です。
- 実験的・先導的な学校教育に取り組む「リーダー校」
- 教育実習を実施する「実習校」
- 大学・学部における教育に関する研究へ協力する「実験校」
国立大学の教育研究機関としての位置付けから、充実した独自のカリキュラムを体験できるため人気があります。学習指導要領などによらない教育課程の編成・実施を認める研究開発学校制度を利用している国立小学校も数多くあるので、チェックしてみると良いでしょう。
また教育水準が高いうえ、私立小学校に通わせるより経済的な負担が少ないこともあって、注目を集めている実状もあります。
国立小学校の学校数は限られており、全国で67校しかありません(令和3年度学校基本調査)。公立小学校19,028校、私立小学校241校と比べると、非常に狭き門といえるでしょう。公平を保つための抽選や通学区域が決められている点も、受験のハードルが高い一因です。
国立小学校向きの子どもや保護者とは
研究データの収集や教育実習の場としての性格を持つことから、国立小学校は次のような資質をもつ子どもを求めています。
- 指示を理解し素直に動ける柔軟性
- 環境の変化に適応できる社会性
- 自分で考えて行動できる自発性や積極性
- コツコツ取り組める勤勉性
小学校受験の準備を進めていく際に、志望校のスクールカラーを理解し近づけることも大切です。子どもを手厚くケアしてもらいたい場合には、私立小学校が向いているでしょう。
また国立小学校では、保護者が学校へ出向き参加する機会が多いことも特徴の1つです。「フルタイムで働いているから参加は無理」と考えず、職場の理解を得る保護者の努力も必要とされます。
小学校受験に向いている子の特徴に関しては、当ブログの「小学校受験に向いている子の特徴とは?メリットも含めて解説」という記事に詳しく載っていますので、そちらも参照してください。
小学校受験は国立?私立?志望校の選びのポイント
ここでは、小学校受験における志望校選びの6つのポイントを以下のとおりご紹介します。
- 国立にするのか私立にするのか
- スクールカラーとの相性
- 居住地域や通学時間の制限の有無
- 共学あるいは男子校・女子校
- 内部進学できるかどうか
- アフタースクールの充実度
では、それぞれのポイントについて見ていきましょう。
1. 国立にするのか私立にするのか
国立小学校と私立小学校では、学費など多くの点で違いがありますが、学校の設置目的が特に大きく異なります。
国立小学校では、研究データの収集を目的にしていることから、バランスのとれた子どもが必要です。何かに秀でた子どもの個性をさらに伸ばしたい場合には、建学の精神に共感した私立小学校を選ぶほうが良いでしょう。
私立なら、男女別学やインターナショナルスクールなど、家庭の教育方針や細やかなニーズにそった学校選びが可能です。
2. スクールカラーとの相性
スクールカラーとは、校風や教育・指導方針とも言い換えられます。私立小学校が求める資質をもっていれば、合格の可能性が高いといわれるのが小学校受験です。宗教的なバックグラウンドの有無、運動系あるいは文化系に注力しているかで、スクールカラーは違ってくるでしょう。
そこで学校説明会やオープンスクールなど公開行事の際には、積極的に志望校に足を運びましょう。気になる学校のカラーが実際にどのようなものか、五感で感じ取ることが小学校受験において重要です。
親のステータスになる、エスカレーター式で進学できるという考えだけで志望校を選ぶと、受験がうまくいきません。子どもの資質が志望校のスクールカラーと合うかどうかを見極めることが、親の役割です。子どもも一緒に志望校に足を運んで、子どもが感じたこともぜひ聞いてあげてください。
多くの小学校受験では面接が実施され、家庭の教育方針と学校の方針が一致しているかチェックされます。親子で信頼できる、安心できると感じられる小学校であれば、面接がうまく進むでしょう。
3. 居住地域や通学時間の制限の有無
居住地域や通学時間は、応募資格にかかわる重要なチェック項目です。
居住地域や通学時間の制限のない私立小学校が多い中、女子校を中心に自宅から60分以内としている場合があります。一方、国立小学校は居住地域や通学時間の制限を明確に設けているので注意が必要です。
現実的には自宅から学校までドア・ツー・ドアで60分以上かかると、子どもの体力的な負担が大きいといえるでしょう。
4. 共学あるいは男子校・女子校
男女共学か、男女別学かは、それぞれメリットとデメリットがあります。どちらが一概に良いとはいえないため、子どもの資質や家庭の教育方針にあった学校を選ぶことが大切です。
小学校教育に何を求めているのか明らかにするためにも、家庭内でよく話し合うようにしましょう。
5. 内部進学できるかどうか
小学校から大学まで内部進学できる学校にするかどうかも、1つの選び方です。ここでは内部進学できる学校を選ぶメリット・デメリットについて見ていきましょう。
メリット | デメリット |
・熾烈な中学・高校・大学受験を回避できる ・お稽古・習い事やスポーツに集中できる ・一貫教育に基づいた柔軟で魅力的なカリキュラムが組まれている ・縦横のつながりが強く、一生の仲間ができやすい | ・子どもが中だるみし、チャレンジ精神に欠けがち ・スクールカラーに合わないと異端的な存在になり学校生活が大変になる ・親も子どもも学校内の人間関係でトラブルがあると面倒な事態に陥る |
6. アフタースクールの充実度
放課後活動の充実度も学校選びのポイントです。近年では、共働きの家庭でも私立小学校に進学させるケースが増えていることから、「学童保育」「預かり保育」「アフタースクール」に取り組む学校が増えています。
ここでは、いくつかの事例を見ていきましょう。
学校名 | 放課後活動の名称 | 活動の概要 |
城星学園小学校 | ・ドーポスコーラ(学童保育) | ・宿題サポート ・季節行事 ・サイエンス/スポーツ/アート/音楽 |
聖心女子学院初等科 | ・ジョアニークラブ(学童保育) | ・宿題サポート ・子どもたちのリクエストを叶える遊び ・外部の方を招いたプログラム |
さとえ学園小学校 | ・複合型教育(アフタースクールプログラム) ・さとえプログラム(預かり保育) | ・子どもたちの「可能性の開発」を目的として開講 ・学習プログラム/情操教育プログラム |
玉川学園小学部 | ・玉川学園延長教育プログラム(Extended School) | ・放課後の教育プログラム ・「SH(Study Hall)」「講座」から選択、あるいは組み合わせる |
小学校受験の日程に関しては、当ブログの「小学校受験の日程を調査!受験対策はいつから始める?」という記事に詳しく載っていますので、そちらも参照してください。
五感を働かせて志望校を選ぼう
小学校受験において、安心して通える志望校選びが大切です。親も子どもも五感を働かせて、その小学校に通いたいかどうか見極めるようにしましょう。
それぞれの学校によって、スクールカラーは大きく異なります。入学してから充実した学校生活を送るためにも、子どもの資質にあった学校を選んであげてください。
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