親子で頑張っている中学受験。当ブログでは、合格を目指して一生懸命取り組んでいらっしゃるご家庭を、沢山のお問い合わせを通して見てきています。ただ、合格者がいれば不合格になる人も出てきます。お子さんが受験に失敗した場合、というのは考えたくもないかもしれませんが、落ち込みや悔しさから立ち直れない方も、これまでいらっしゃいました。親子で中学受験の失敗から立ち直り、これからのことを考えるにはどうきっかけをつかめばよいのでしょうか。
そこで今回は、中学受験に失敗した場合の、立ち直るための気持ちの切り替え方、保護者が取るべき行動について解説します。失敗は人生につきものです。でも後で振り返ると「あの失敗があったからこそ、今の自分がある」と思い、人生の中でも大きな成長につながることがあるのです。最後まで読めば、上手に気持ちを切り替える方法がきっと見つかるはずです。
中学受験に失敗すると高校生活はどうなる?
中学受験に失敗した場合は、すべり止めで合格した中学校または公立中学校へ進学することになります。
どちらの中学校に進学するかは、子どもの適正や校風、環境などを考えて決めましょう。すべり止めを受けていなかった場合、または受験した中学校すべて落ちてしまった場合は、進学先は公立中学校一択です。
地元での公立中学校が荒れているという理由で、中学受験を決める場合も多いです。その場合は、荒れている公立中学校に進学しなければいけません。とはいえ、中学校で努力をすれば高校受験で巻き返すことは充分可能です。
すべり止め、公立中学校いずれに進学する場合でも、中学校で努力をすれば高校受験を成功させることができます。
中学受験に失敗したとしても、中学受験の経験は無駄になりません。中学受験の勉強が中学進学後に活かせる、高校受験のときも中学受験での経験が活きるなどのメリットがあります。
中学受験に失敗した経験を持つ有名人も多くいます。中学受験の失敗がきっかけでほかの道が開けたり、挫折を経験したことで成長したりもできます。中学受験に失敗した事実だけにとらわれず、今度は高校受験で成功すればよいと前向きに考えることが重要です。
失敗を引きずらないお子さまが多い
中学受験に失敗してしまった子ども本人のことが気になる親御さんも多いでしょう。実は以下の理由から失敗を引きずらないことがほとんどです。
- 子どもは回復が早い
- 今までの友達関係を継続できる
- 新しい環境になる
- 中学受験の経験が活かせる
子どもは回復が早い
中学受験を失敗したことで、子ども本人が落ち込んだり「中学校に行きたくない」と行ったりすることもあるでしょう。ですが、子どもの回復力は大人よりも早く、中学進学後は失敗を引きずらない場合が多いです。
受験した中学の数が多く、すべての学校に落ちてしまった場合は失敗のショックがより大きくなります。不合格の通知を受け取ったり、受験番号がなかったりする場面に遭遇するたび、子どもは辛い思いを重ねていきます。その分失敗をひきずるのでは、と心配する必要はありません。
たとえ受験した中学校すべてに落ちて公立中学校に進学しても、子どもは想像以上のスピードで回復していくでしょう。
今までの友達関係を継続できる
地元の公立中学校は、小学校時代と同じ友達が多いメリットがあります。仲の良い友達と別れずに3年間一緒の学校に過ごせるということも、子どもが中学受験失敗から早く回復する理由のひとつです。
新しい環境になる
中学受験を失敗し公立中学校に進学することで、周りからの目が気になる子どもも多いでしょう。公立中学校では小学校より学区が広がる可能性があり、今まで通っていた小学校よりも多くの新しい友達ができます。
新しい環境になるため、中学受験に失敗しても気持ちも、環境もリセットして過ごすことができるでしょう。
中学受験の経験が活かせる
失敗はしてしまいましたが、子どもは志望校に合格するために中学受験で努力を重ねてきました。中学受験での勉強で基礎ができているため、中学の勉強がスムーズに進められるのもメリットです。
また、同級生よりも一足早く受験を経験しているため、高校受験への心構えもできています。中学受験での失敗をバネにして高校受験は成功させたい、というモチベーションにもつながるでしょう。中学受験を引きずることなく、高校受験という次の目標へ向かうことができます。
中学受験に失敗して悲しい、悔しいと思うのは子ども本人だけではありません。小学校時代から数年間全力でサポートしてきた親御さんにとっても、中学受験の失敗は悲しい、悔しいと感じるでしょう。
ただ、中学受験を経験したことが高校受験へプラスに働くことも多いです。子どもはもちろん、全力でサポートしてきた親御さんの努力も無駄ではありません。
子どもの回復力は早く、親御さんが想像するほど中学受験の失敗を引きずることはありません。子どもが公立中学校でも楽しく過ごせるか心配になる親御さんも多いですが、子どもの回復力を信じて大きく構えておきましょう。
気持ちの切り替え方や母親が取るべき行動は?
中学受験失敗のショックから親子ともに立ち直れない、または子どもは立ち直っているのに親御さんがまだ引きずっている、という場合もあります。中学受験失敗の気持ちを切り替えるための方法や、母親が取るべき行動には以下のものがあります。
- 中学受験に失敗した人の声を聞く
- 本を読む
- 進学した中学校のよい所を教える
- 失敗しても取り返せると励ます
- 周りは気にしていないと教える
- 努力は無駄でないと考える
- 挫折を経験して成長したと考える
中学受験に失敗した人の声を聞く
気持ちが切り替えられないときには、中学受験に失敗した経験を持つ人の声を聞くのも有効です。芸能人や有名人のほか、一般人でも中学受験に失敗した経験を持つ人は多くいます。インターネットで同じ経験をしている方のブログを見たり、SNSなどで中学受験に失敗した人の意見を聞いてみたりしましょう。
中学受験に失敗したことで、その後歩んだ人生や経験、今の仕事や立場につながっていることなどの情報が得られます。中学受験に失敗したことが、かえって逆境に強い性格の形成に役立つなど人生の重要なポイントになっている場合も多いです。
実際に失敗した人だからこその意見や体験を聞くことで、失敗から気持ちを切り替えるきっかけにもなるでしょう。
本を読む
中学受験の失敗から気持ちを切り替えるために、本を読むのもよいでしょう。中学受験の失敗をテーマにしたもの、第二の人生を歩むものなどがおすすめです。作品の主人公に感情移入をすることで、どのように失敗から立ち直るかが学べます。
進学した中学校の良いところを教える
公立中学校への進学を不安に思っている子どものために、進学先の中学校の良いところを教えてあげるのも有効です。
- 子どもの好き・興味があることの部活動がある
- 徒歩で通える(場合によって自転車通学ができるなど)
- 小学校の友達が多い
- 制服が格好いい、またはかわいい
- 給食が食べられる
進学先の中学校の良いところを知れば、子どもも中学校生活に期待が持てるようになります。春休み中に通学路を一緒に歩いたり、中学校のグラウンドを見てみたりするのもよいでしょう。
失敗しても取り返せると励ます
中学受験に失敗したばかりのときは、将来が閉ざされた気持ちになる親御さんやお子さまも多いです。けれども、中学受験で失敗しても高校受験、大学受験と取り換えせるチャンスがあります。
逆に考えれば、中学受験は成功してもその後高校受験や大学受験、就職に失敗してしまう場合もあるのです。
中学受験は、これからの人生のなかのひとつの段階でしかありません。これから先いくらでも失敗は取り戻せると励ますのも有効です。
周りは気にしていないと教える
中学受験に失敗すると、小学校時代の友達の多い公立中学校へ進学する場合も多いです。友達が多いことで、中学受験に失敗した子ども本人が「周りから馬鹿にされるかもしれない」「中学受験に失敗したことが恥ずかしい」と感じる場合も多いでしょう。
子どもには、周囲の目は気にしないように励ましてあげましょう。「周りは自分が思っているほど見られていない」「思っているほど、周りはあなたに興味はない」など、想像よりも周囲は自分を気にしていないことを具体的に教えるのが有効です。
子どもも自分を客観的に見られれば、周りの目も少しずつ気にならなくなるでしょう。
努力は無駄でないと考える
親子で中学受験で頑張ったことは、結果が失敗でも無駄ではありません。
- 中学の勉強の基礎ができている
- 継続的に勉強する習慣が身についている
- 受験への心構えができている
中学受験の勉強は中学の勉強を進めるうえで有効です。知識だけでなく、継続的に勉強をする習慣が身についているのは、中学だけでなく高校、大学でもメリットがあります。
また中学受験を先に経験することで、高校受験への準備や心構えもスムーズに進められます。中学受験での努力は無駄ではなく、これから先有効に活かせると考えるのも、気持ちの切り替えにつながります。
挫折を経験して成長したと考える
中学受験の失敗から、学べることはたくさんあります。
- 人生は楽しいことだけでなく辛いこともある
- 失敗してもやりなおせる
- 挫折を乗り越える力 など
中学校入学前という早い時期に挫折を経験することで、子どもが挫折を乗り越える力を身につけたり、今後の人生について考えたりするきっかけになります。中学受験を失敗したからこそ子どもも成長できた、と考えるのも気持ちを切り替えるのに有効です。
中学受験に失敗する理由は、当ブログの「中学受験に失敗する理由とは?親がとるべき子へのサポートや対策」という記事に詳しく載っていますので、そちらも参照してください。
中学受験に失敗してもその後成功すればいい
中学受験に失敗してしまった直後は、なかなか気持ちを切り替えるのは難しいでしょう。しかし、子どもは意外に回復力が高く、悔しさや悲しさからも立ち直れるものです。
進学する中学校での生活を楽しくし、むしろ失敗を糧にこれからの人生を前向きにしていけるよう、「中学受験は無駄ではなかった」「高校受験でいくらでも取り返せる」ということを教えてあげることが重要です。親子で次の高校受験を目指して前向きに進んでいきましょう。
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