国立中学校の学費はいくらかかる? 私立中学校の学費もあわせて解説

学費事情、国立・私立の違い 補助金・寄付金について

国立中学校の学費は公立中学校と大きな差はありません。しかし、公立中学校とは違う先進的な教育環境が整っているため、「他にかかる費用があるのでは?」と気になる人もいるのではないでしょうか。

今回は国立中学校の学費についてご紹介します。私立中の学費や利用できる補助金に関する情報もご紹介しています。しっかりと学費を備えておきたい方はぜひ読んでみてください。

国立中学校の学費|私立の学費とはかなり違う

入学する学校の学生服

国立中学校の学費は公立中学校と大きな差はありませんが、どのくらいかかるのは気になる方に向けて国立中学校の学費をまとめてみました。私立中学校の学費についてもご紹介します。国公立と私立中学の受験を検討している人はぜひ参考にしてみてください。

国立中学校の学費

「平成30年度子供の学費調査」によると、国立中学校の平均学費は488,397円でした。内訳は学校教育費が138,961円、学校外活動費が306,491円、学校給食費が42,945円です。詳しい内訳金額を表にまとめてみました。

区分金額割合
授業料0円0%
修学旅行・遠足・見学費26,217円18.9%
学校納付金16,702円12%
教科書費・図書費・学用品等25,413円18.3%
教科外活動費29,308円21.1%
通学関係費37,666円27.1%
その他3,655円2.6%
合計138,961円100%

中学校は義務教育のため、公立と同じく授業料はかかりません。しかし、学校によって通学費用や制服などで4万円近くかかります。公立中学校よりも修学旅行や学校外活動費が必要です。

また、国立中学校には高校受験や定期試験を見据えて塾通いをしている子どももたくさんいます。そのため、学校外活動費は私立中の中学生と比べても大きな差はありません。

私立中学校の学費

私立中学校の学費の平均額は1,406,433円でした。授業料を含む学校教育費用は1,071,438円、学校外活動費が331,264円となります。詳しい内訳をみてみましょう。

区分金額割合
授業料428,574円40%
修学旅行・遠足・見学費82,578円8%
学校納付金287,818円27%
教科書費・図書費・学用品等50,198円5%
教科外活動費55,796円5%
通学関係費140,765円13%
その他25,709円2%
合計1,071,438円100%

国立中学校の学費の内訳と比べると、大きくかかるのは授業料と学校納付金です。また公立中と異なり、自宅からかなり離れた地域にある私立中学へ通学する場合、電車やバスなどの交通費がかかるため、通学関係費も国立中よりかかります。

「その他」には私立中学校の運営に必要な「寄付金」も含まれています。学校によって寄付金の額は異なりますが、約10~20万円が相場です。寄付金は強制ではありませんが、私立中学の受験も検討しているなら寄付金相場について調べておきましょう。

私立中学校向けの補助金・支援金は、当ブログの「私立中学校生向けの補助金・支援金は?学費負担を軽減する方法」という記事に詳しく載っていますので、そちらも参照してください。

国立中学の生徒用には補助金なし(私立中学生にはあり)

春の校舎

国立中学校はもともと公立中並みの学費のため、こうした補助金はありません。学費の高い私立中学校では国が2017年より5年間限定で実施している「私立小中学校に通う生徒への経済的支援に関する実証事業」を利用できます。最大で年額10万円の補助金を受給することが可能です。受給には所得などいくつか条件があります。

  • 7月1日時点で私立中学校・義務教育学校・中等教育学校の前期課程・特別支援学校(中学校)に通っている
  • 年収400万円未満かつ資産保有額600万円以下
  • 児童生徒が祖父母から教育資金の一括贈与を受けていない

補助金を受けるには文部科学省が実施する調査への協力が必要です。現金支給ではなく、学校側による代理受領で授業料に適用されます。

国立中学校の学費をどうにかして抑えたい人は、所得制限がありますが「就学援助制度」の利用も可能です。経済的援助を目的とした援助制度で公立・国立・私立中学校の児童生徒を持つ世帯が申請することができます。

【国立中学校の受験対策はこちら】

国立中学校に合格するためには、まずその特徴や受験対策の方法をしっかりと把握することが重要です。国立中学校を選ぶ理由についてや、効果的な受験対策について解説します。

国立中学校では学費のほかに「寄付金」が必要な学校も

羽の付いた紙幣

国立中学校は公立中学校と学費が同じくらいのため、費用負担を抑えたい方に人気があります。国立中学校は国からの交付金で運営されていますが、交付金が年々削減されており財政難の学校も少なくありません。

そこで、児童生徒の教育環境を整備するために設けられたのが「教育後援会」です。公立中学校と大差ない学費でもこの「教育後援会」の会費があることで、豊かな教育活動や教育環境を整えるために使われます。

会費は入会金に加えて一口あたり数千~数万円を納めます。会費は学校によって異なり、加入は任意です。入学を希望されているなら、児童生徒の教育環境を整えるために予算に入れておきましょう。

国立中学の学費はゆとりをもって備えておこう

国立中学受験を検討されているなら、学費は気になることでしょう。公立中学校の学費と大差はないものの、私立中学校の寄付金に代わる「教育後援会」の会費が必要です。学校によって会費は異なるため、事前に確認しておくとよいでしょう。任意ですが国立中学校の運営に必要な国からの交付金は年々削減されています。

子どもによい教育環境で学んでもらいたい方は、こうした学費以外の支出に対応できるように備えておきましょう。