高専の入試対策!高校と違う点や入試方法など重要なポイントをまとめ

安定した将来に向けて 高専入試合格のポイント

高専は、高度な技術者を養成するための高等教育機関で、国公立、私立合わせて全国に57校あります。卒業後の求人も多く、就職率も100%とほとんどの学生が希望の職種に就いています。

今回は高専の入試について知りたい方に向け、高専と高校との違いから、高専の概要、筆記試験や推薦入試、面接試験といった入試制度の詳細、入試対策のポイントについて解説します。

高専と高校の違い

黒板のある教室

高専は、中学校卒業後から5年間一貫教育が行われる高等教育機関です。全国に国立51校・公立3校・私立3校の合計57校あります(2022年2月時点)。高専は高校と異なり高度な技術者を養成するため、大学同程度の専門知識と技術を身につける特色があり、実験や実習を重視した教育環境が整えられています。

教員はすべて研究職にあたるため、教員免許が不要である点も高校と異なるところです。ただし専門科目を担当することから、応募資格には博士号取得者をはじめ、修士号や高度な資格を有する者など条件を満たした方が教員として採用されています。

また、5年間の本科卒業後は就職または進学の選択が可能です。より専門的な知識や技術を習得できる2年の専攻科を修了後は、大学改革支援・学位授与機構の要件を満たした学生に限り「学士」の学位を取得できます。本科卒業生は「準学士」の学位を取得することが可能です。この学位の取得も高校と異なります。

高専は各種検定・資格取得が目指せる

高専は整った研究設備で、実験や実習など実践的な教育を受けられます。身につけた技術や学んだ知識の証明として活用できるのが検定や資格です。主に下記のような検定・資格の取得を目指すことができます。

TOEIC・日本語検定・実用数学技能検定・CAD利用技術者試験・3次元CAD利用技術者試験・機械設計技術者試験・ネットワークスペシャリスト試験・電気工事士試験第一種・宅地建物取引士資格試験など

私立高専の中には、資格取得に関する費用を学校側が支援する資格取得奨励支援制度が設けられている学校もあります。国立高専でも在学中の資格取得を促進しており、対策講座や補修授業の実施、資格取得者に対する報奨金制度を設けている学校もあります。

取得可能な検定や資格は設置学科によっても異なるので、将来就きたい職種に関する資格を取得したい方は事前に確認しておきましょう。

高専卒業生の求人倍率は10~20倍・就職率100%

大卒者の求人倍率は2021年で1.53倍、2022年は1.50倍となっており、景気動向に左右される傾向があります。しかし、高専は専門分野に関して高い技術と知識を持っていることから、景気の影響を受けません。高専卒業生の求人倍率は10〜20倍と高く、即戦力を求める有名企業から毎年安定して多くの求人が寄せられています。

将来就きたい仕事があり、高専でその技術や知識を身につけられるなら、大学よりも高専が有利といえるでしょう。就職率も100%と多くの学生が希望する企業に就職しています。

高専は、本科4年生以降、専攻科1年生を対象に約1か月間のインターシップ制度を導入しています。高校と違って早めに就業体験ができるのも高専の特色です。

高専から大学入学・編入も可能

高専生の卒業後の進路は、即戦力として就職を希望する学生と、専攻科や他大学へ進学する学生がいます。進学する学生の割合は、約4割です。大学編入には条件があり、高専の本科を卒業または卒業見込みのある学生が対象です。専攻科卒業生には大学院修士課程への進学も選べます。

高専卒業後、進学を希望した学生の進学率は2019年の本科卒業生で97.7%、専攻科卒業生で99.3%です。専攻科へ進学せず、他大学で学びたい学生や大学卒業の資格が欲しい学生にとって大きなメリットといえるでしょう。

高専を中退して大学編入試験を受験する場合は、3年生修了生で単位を取得していれば大学入学共通テストを受けられます。しかし、1年生や2年生の場合、大学入試を受けられる資格がありません。そのため、「高等学校卒業程度認定試験」を受験するか、定時制高校や通信制高校を出て高校卒業の資格を取得する必要があります。

高校や専門学校との違いは、当ブログの「『高専』という選択肢!高校や専門学校とは何が違う?」という記事に詳しく載っていますので、そちらも参照してください。

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高専の入試制度

物理の問題集

高専の入試では、「筆記試験(学力試験)」「推薦入試」「面接試験」が実施されます。各選抜方法を理解したうえで出願方法や対策をとることが大切です。高専の選抜方法について解説します。

筆記試験の出題傾向を理解する

高専の筆記試験は、2021年度より実施された新しい中学校学習指導要領に基づいた以下の「学力の3要素」をバランスよく反映させた問題が出題されます。学科によって試験科目は異なり、国語・数学・英語の3科目または主要5科目の試験の合計点数をもとに合否が判定されます。

  1. 知識・技能
  2. 思考力、判断力、表現力など
  3. 主体的に学習に取り組む態度

高専では、これまでも「思考力等」を重視した問題は出題されていたものの、より深い「思考力等」を測るための「考える力」が必要な問題が出題されます。国立高専の筆記試験の解答方法はマークシートですが、私立高専では記述問題も導入されています。事前に募集要項を確認しましょう。

推薦入試は推薦書・調査書・面接試験で合否を判定

推薦入試の出願資格は、出身中学校長より推薦を受けていることはもちろん、高専が定める内申点の基準をクリアしていること、強い入学意思などが重視されています。そのため、主に推薦書・調査書・面接試験の結果をもとに合否が判定されます。成績のうちで特に重視されている科目は数学と理科です。

面接方式は「個人面接」「集団面接」のどちらかが実施されます。時間は約15分です。筆記試験よりも出願時期や試験日が早いため、対策も早めに行いましょう。

面接試験は保護者対象もある

高専入試の面接試験は、選抜方法を問わず実施されます。面接試験は基本的に受験者本人のみが一般的ですが、私立高専の中には親子面接を実施しているところもあるので、しっかり対策するためにも事前の確認は必須です。

志望動機をはじめ、中学校生活の思い出などよく聞かれる質問以外に、推薦入試では基礎学力をはかるための口頭試問が行われます。口頭試問は高専や学科ごとに出題内容が異なるので、対策をしておいたほうがよいでしょう。

高専の面接に関しては、当ブログの「高専の面接では何を聞かれる?質問の傾向をおさえて対策をしよう」という記事に詳しく載っていますので、そちらも参照してください。

高専の入試対策のポイント

インターネットで学校を選ぶ男性

高専に合格するために必要な入試対策のポイントについて解説します。

過去問・対策問題集をくり返し解く

高専の入試対策は、過去問題集や入試対策問題集をくり返し解くことが大切です。過去問は、国立高等専門学校機構の公式ホームページより、過去3年分の入試問題を入手できます。印刷が必要ですが、問題・正解・解答用紙とそれぞれ分かれており、くり返し解くのには便利です。

問題の傾向は毎年異なります。高専によっては筆記試験の最高点や平均点を公式ホームページ内で公表しているので確認してみましょう。また、新しい中学校学習指導要領に基づいた出題範囲となるサンプル問題も公式ホームページより入手できます。気になる方はダウンロードと印刷をして活用しましょう。

面接試験の練習をする

面接試験は、面接官からの質問にスムーズに答えられるように、事前に予想される質問に対する答え方を考えておきましょう。「志望理由を聞かせてください」「入学後はどのようなことを学びたいですか」といった質問がよく聞かれます。

面接マナーよりもはっきりと大きな声でしっかり答えることを意識しましょう。専門分野について学ぶ高専では、志望する学科で学ぶ分野にどのくらい関心を持っているのか、面接官も知りたがっています。

口頭試問については、受験する学科に関する事柄について積極的に調べておくことがポイントです。福島高専では学科ごとに過去の口頭試問を公式ホームページに掲載しています。事前にどのような質問がされるのか確認しておくとよいでしょう。

早めの情報収集を心がける

高専は高校と入試方法が異なるため、入試対策をするには事前の情報収集が大切です。同じ学校から受験した先輩や高専進学者がいるなら、学校の雰囲気や学び、教員の様子、入試対策などを聞きましょう。

入試方法によって出願時期や試験日が異なります。私立高専など併願する場合は、なるべく早めの情報収集がポイントです。

また、筆記試験ではほとんどの高専が当日実施される学力検査の結果をもとに合否判定が行われますが、推薦入試では内申点が影響します。学科によって内申点の扱われ方が異なるので、志望する高専の募集要項を事前に確認してください。

国立高専は筆記試験が実施される「学力検査による選抜」のみ、受験したい会場や高専を選べる「最寄り地等受験制度」を利用できます。高専は全国区のため、地元から離れた高専を受験する方は、在籍している中学校および志望校へ事前に相談しましょう。

高専生の卒業後の進路・就職を知りたい方は、当ブログの「高専生の卒業後の進路・就職は?将来から逆算して高専を選ぼう」という記事に詳しく載っていますので、そちらも参照してください。

高専の入試対策は志望校別の対策問題集で効率的に

高専は高校入試と異なり、専門的な知識や技術について学べる環境が整っている高等教育機関です。日本のものづくりを支える高いスキルを持った技術者を目指しているなら、きっと満足できる学生生活を送れるでしょう。国公立私立合わせて57校あり、学びたい分野のある高専が遠方にあっても、最寄りの試験会場で受験できるのも魅力です。


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