我が子が小学校受験に向いているのか、お悩みの方も多いでしょう。小学校受験で合格する子どもには、共通するある特徴が見られます。明るく年齢相応な素直さがあり、家族によるサポート体制が整っていることがにじみ出るように伝わってくるものです。
今回は、小学校受験の向き・不向きや、小学校受験に向いている子の特徴、受験に挑戦するメリットについてご紹介します。
小学校受験に向き不向きはある?
小学校受験の向き・不向きを考える上で、子どもの資質と家庭のサポートは切り離せません。子どもの資質だけで考査されるのではなく「家族によるサポート体制」といった周りの環境が重要視されているのです。
父親と母親の間で子育ての方向性に大きな違いがあったり、単に周りに流されて小学校受験を決めたりしているようでは良い評価を得られないでしょう。家族と子どもが一丸となって小学校受験に取り組んでいることが、考査では見られています。
ここでは、子どもだけではなく家族の存在も見られている前提で、小学校受験の向き・不向きについて見ていきましょう。
小学校が受け入れたくなる子どもの資質とは?
小学校が、考査を通じて受け入れたくなる子どもの資質とはどのようなものでしょうか?
大きなポイントとして協調性や集中力が挙げられます。日常生活を通じて「協調性を持って1つのことに参加できるかどうか?」がポイントなのです。幼稚園で協調性がない、集中力に欠けるという指摘があった場合には、子ども自身や両親の家庭内での振る舞いを見直す必要があるでしょう。
子どもらしい素直な明るさや無邪気さも重要視されています。つまり年齢相応の「発想力」「独創性」「探究心」を見られているということです。お友達と一緒に外遊びに飛び出していけたり、素直に自分の意見をいえたりする資質が見られています。
考査の「行動観察」で、特に重点的にチェックされているのは、次のような子ども同士の関わりです。
- ある程度のルールをもってお友達と遊べているか
- 時には我慢して調和しながら過ごせているかどうか
- 遊びに前向きに取り組めているかどうか
上述の点を、普段の生活の中で気負わずに実践している明るい子どもが求められています。
親の資質こそ向き不向きがある
たとえ子どもに協調性や集中力が見られても、親の資質が次のようなタイプであれば、小学校受験に不向きです。考査で、小学校から敬遠される可能性が高くなります。ここでは、親のタイプと敬遠される理由について見ていきましょう。
親の資質タイプ | 子どもの受け入れを敬遠される理由 |
過保護型 | 忍耐力がなく引っ込み事案で、依存心の強い子どもになりがち |
知識依存型 | 発達段階を無視した過度な詰め込み学習の結果、自信のない子になりがち |
過干渉型 | 自立心や意欲に欠けた子になりがち |
責任転嫁型 | 社会性・協調性に欠け、無責任な行動に走る子になりがち |
溺愛型 | わがままで子どもの間でトラブルを起こす子になりがち |
小学校受験に向いている子ってどんな子?
実際に小学校受験に向いている子とは、どのような子なのでしょうか?以下のような資質が子どもに見られたら、小学校受験で健闘できる子だといえるでしょう。
- 前向きで探求心のある子
- 集中力のある子
- 積極的に挑戦する子
- 基礎的な人間力がすでに育っている子
ここでは、それぞれについて見ていきましょう。
前向きで探求心のある子
受験勉強にも楽しみを見い出し、前向きにチャレンジできる子は周囲に良い印象を与えます。勉強中に意欲をずっと保てる子は、良い結果を引き寄せる芯の強さを持ち合わせているといえるでしょう。教えられたことを素直に吸収しようとする意欲のある子どもは、小学校受験に向いているのです。
さらに小学校側は、自分で見つけ出した興味のあるものに対して素直に気持ちが動かされるといった探究心を発揮できる子どもを求めています。何事に対しても楽しみながら取り組める能力は、一種の才能ともいえるでしょう。
小学校受験では、中学受験のように学力の差で合否が決定するわけではありません。小学校受験では、次のような考査が実施されます。
- ペーパーテスト
- 行動観察
- 制作課題
- 運動
- 面接
これらの考査を通じて、子どもの思考力・指示理解力・協調性・探究心などが見られているのです。
集中力のある子
決められた作業を一定時間こなせる集中力のある子は、小学校受験において大きな成果を得られます。実際に小学校受験の現場では、子ども側からすると指示を待ってから動くことばかりです。そのため途中で集中力が欠けてしまい指示がわからなくなると、減点になってしまう可能性もあります。
集中力は、小学校受験を控えた5歳児にとっては個人差が大きい資質です。おもちゃを使うなどしながら、1人遊びを30分から1時間程度黙々と続けている子は集中力が育っているといえるでしょう。
なお、どうしても子どもの集中力が続かないとお悩みのご家庭では、次の点をチェックしてみてください。
- そもそも好きなことに取り組んでいるのか
- 集中しやすい環境にいるか
- 心が不安定になっていないか
- 親が声がけをしすぎていないか
- 生活のリズムや食生活が乱れていないか
積極的に挑戦できる子
積極的に挑戦できる子どもは、小学校受験に向いています。小学校受験の科目は、前述したとおり知識が問われるペーパーテストばかりではありません。小学校受験を経験するからこそ、年齢的にほぼ取り組むことのないことを体験できるのです。
例えば、次のような能力を養うトレーニングを積んでから、面接や行動観察といった考査にのぞみます。
- 知らない大人にきちんとした言葉で自分の思いを伝える
- 難題に粘り強く挑戦する
- 初対面のお友達と共同作業を進める
そのため、小学校受験の準備に取り組むと多面的な能力を養えることから、子どもの可能性が広がるわけです。
基礎的な人間力がすでに育っている子
幼児とはいえ、基礎的な人間力がすでに育っている子は小学校受験に向いてますし、受験準備もスムーズに進められるでしょう。基礎的な人間力とは、集団の中で当たり前のことをする力です。子どもに基礎的な人間力が垣間見える瞬間には、次のような例が挙げられます。
- プリント学習に楽しく取り組める
- 指示を待って行動できる
- いわれたことをきちんと守る
- 大騒ぎをせず我慢できる
- 礼儀正しい受け答えがきちんとできる
- 目上の人に敬意を示せる
- 落ち着いて物事に取り組める
上述の例を別のいい方をすれば、親からのしつけが行き届いている子どもといえるかもしれません。少し大人っぽさが見受けられる子どもは、小学校受験に向いています。
小学校受験の5つのメリット
ここでは、小学校受験の5つのメリットをご紹介します。
- より良い教育環境を子どものために選べる
- 子どもの基礎学力や個性を伸ばせる
- 長く付き合える仲間に出会える
- 附属校なら同じ環境で夢中なことに打ち込める
- 特徴のある教育を受けられる
では、それぞれについて見ていきましょう。
1. より良い教育環境を子どものために選べる
子どもが初めて長い期間を家の外で過ごすことになる小学校の環境選びは、とても重要です。国立や私立の小学校には独自の教育方針や宗教的なバックボーンがあり、ユニークな教育を受けられます。
さらに小学校受験に合格すると、ある程度同じような価値観をもつ家庭で育った子どもたちが集まる環境で小学校生活を送れるのがメリットです。小学校側の方針に従って迎え入れられた子どもたちばかりが集まっているので、同質の雰囲気が漂い価値観を共有しやすい環境が整っています。そのため、親同士の信頼関係も築きやすいのが特徴です。
2. 子どもの基礎学力や個性を伸ばせる
小学校受験の準備に取り組むと、知識だけでなく思考力・論理力・忍耐力・協調性を身につけられるのがメリットです。幼稚園や家庭での日常生活では、なかなか得られないスキルを身につけられます。
柔軟に吸収する力のある幼児の間に考える力を鍛えると、あとあと潜在的な能力や個性を伸ばしやすくなるでしょう。受験の準備を通じて、普段の生活では気づきにくい子どもの才能や得意分野を発見でき、伸ばすべき方向性が見つかるかもしれません。
3. 長く付き合える仲間に出会える
小学校受験を成功させると、長く付き合える仲間に出会えるのがメリットです。同じ学校で学ぶと、特別な同窓意識を持つことがあります。受験を実施する小学校は、中学・高校、あるいは大学まで繋がっていることが多いでしょう。そのため、長期間に渡り大きなコミュニティに属することになり、結果として強いつながりが生まれます。
先輩や後輩といった縦の絆や同級生同士の横の絆も強いため、後々の人脈として活かせることも期待できるわけです。
4. 附属校なら同じ環境で夢中なことに打ち込める
志望大学の附属小学校に入学できれば、その後の受験の心配がほぼありません。たとえ選考があっても入試よりはハードルが低いことも多いため、スポーツや芸術に集中する環境が整います。
打ち込みたいことが決まっている場合には、一貫した環境で学べる附属小学校がおすすめです。
5. 特色のある教育を受けられる
専門的な深い学びなど特色のある教育を受けられるのも、小学校受験のメリットです。
プログラミングなどICT教育に力を入れる学校や、本格的に語学力を高められる学校などがあります。私立では独自のカリキュラムを学習指導要領にとらわれずに設定できるので、興味のあることを深く追求したい子どもにおすすめです。
志望校選びのポイントに関しては、当ブログの「小学校受験は国立と私立どちらがいい?志望校選びのポイント!」という記事に詳しく載っていますので、そちらも参照してください。
まず家庭の教育方針を固めよう
小学校受験に向いている子は、基本的に協調性や集中力のある子です。しかしどんなに子どもの資質が小学校受験に向いていても、家庭の教育方針が定まっていないと受験を乗り切るのは難しいといえるでしょう。まずは家族のチームワークを高めるためにも、家庭の教育方針を固めることが先決です。
小学校受験は、子どもの考える力を鍛えさまざまな能力を開花させるチャンスともいえます。受験専門サクセスでは、志望校別にペーパーテスト対策が可能です。2〜3歳からじっくりゆとりをもって対策する方法もありますので、志望校が決まっている方はぜひお役立てください。