中学受験では、筆記試験のほか面接を実施する学校が多く、親子面接を実施する学校もあります。「筆記試験対策は、過去問を使ってできる。けれど面接はどうしたら対策できるの」「親子面接って何を聞かれるのか心配」このような不安の声がよく聞かれます。でも、このブログにたどり着いた皆さんには、お役立ち情報を提供していますので、安心してください。
今回は、親子同伴の面接で保護者によく聞かれる質問と模範回答、面接にふさわしい服装について徹底解説します。人物重視になりつつある今、面接は合格を決める重要な要素となります。最後まで読んで、お子さんが合格できるようにノウハウを掴んでください。
「親子同伴」形式の面接で母親・父親によく行われる9つの質問と模範解答
親子同伴面接の場合、子どもだけではなく親御さんも面接対策が必要になります。親子同伴形式の面接で母親・父親によく聞かれる質問を、回答とともに解説します。
質問1.なぜ本校を受験したのですか
「御校の教育方針である『文武両道』の精神を息子にも学んでほしいと考えたからです。私たちの息子には、勉強はもちろん体作りも大切と教えております。御校での教えを通じて、息子には将来勉強もスポーツも両立できる人間に成長してほしいと考えています」
志望動機は子どもだけでなく親にも聞かれる質問です。志望校の特徴や教育方針を志望動機と関連づけて答えましょう。
質問2.ふだんご家族でどのようにコミュニケーションを取っていますか
「毎日かならず親子で話をする時間を取り、その日あったことを子どもからよく聞いています。悩みごとや困ったこと、嬉しかったこともよく話してくれます」
家族でのコミュニケーションについての質問は、子どもと親で中学受験にかんする意見が離れていないか、子どもが納得したうえで中学受験をしているかなどを判断する参考とされます。
質問3.お子さんの性格を教えてください
「いつでも明るく素直な性格です。ムードメーカーで、私たちや友達を楽しませるために冗談を言って周りを盛り上げることもあります。相手を優先して自分の意見をいわないことがあるため、自分の意見をいうことの大切さも教えるようにしています」
子どもの性格については、ほめ過ぎず謙遜(けんそん)し過ぎずが重要です。事実をもとにありのままの子どもの様子について答えるようにしましょう。
質問4.学校までの通学経路・所要時間は
「自宅から最寄り駅まで徒歩●分、○○選に乗って××駅で下車し、御校まで徒歩●分です。自宅から御校までの所要時間は●分です」
子どもの通学経路を把握していることで、子どもの通学についてどの程度心配しているかを判断されます。所要時間はもちろん、路線名や駅名なども具体的に答えられるようにしましょう。
質問5.本校の受験は誰が決めましたか
「息子本人です。御校の文化祭に足を運んだときに、○○部の催し物が本格的でぜひ自分も参加したいと申していました。自宅から近く御校の生徒さんたちが通学している姿をよく見るため、幼少より息子にとって親しみのある学校であるとも考え、私たちも賛同しました」
子ども本人が決めたときには子どもの自立心、親が決めたときには家族での仲の良さを入れて前向きな回答をしましょう。子どもを呼ぶときには「息子」「娘」とし、「○○ちゃん」などふだんの呼び名が出ないようにすることも重要です。
質問6.お小遣いは月にいくらくらいあげていますか
「月に○○円です。金銭感覚を身に付けるために、通塾時の食事なども含めて渡しています。不要な大金を持ち歩かないことも合わせて教えています」
家庭での金銭的なルールを答えましょう。家庭での教育方針と一緒に聞かれる場合もあります。
質問7.お子さんが今興味のあることは何ですか
「小学校の授業で学んだのをきっかけに、けんだまやベーゴマなどの昔遊びを楽しんでいます。けんだまやベーゴマの遊び方や上手に行うコツを聞くために、祖父母や地域の高齢者の方と接する機会も多くなりました」
子どもの様子だけでなくふだんから子どもと接しているか、親が子どもに関心を持っているかを判断されます。遊びをとおして子どもが周囲とどのように関わっているのかなども端的に添えましょう。
質問8.小学校での欠席・遅刻・早退した理由は
「季節性のインフルエンザにかかり、出席停止期間を含めて●日間欠席しました。以後より体調管理につとめ、その後は欠席することなく元気に通学できました」
欠席や遅刻、早退が多い場合に聞かれる場合があります。取り繕うことなく、正直に答えましょう。
質問9.お子さんの好きな教科、苦手な教科は何ですか
「国語が好きです。幼少から本を読むのが好きで、現在でも図書館で本をよく借りてきています。苦手な教科は音楽です。人前で歌ったり、演奏したりするのが苦手なためです。できるだけ緊張しないように、落ち着いて取り組むように声をかけています」
好きな教科、苦手な教科は子どもの回答と食い違いがあるとマイナスとなるため注意しましょう。
親子で回答に食い違いがないように、子どもと面接練習をしよう
親同伴、または親と子ども別室での面接形式の場合、同じ質問の回答が親子で食い違いと印象が悪くなってしまいます。親子で面接の練習をしておきましょう。面接の練習には、以下のものがあります。
- 一緒に回答を考える
- 実際に質問して回答させる
- 面接での態度やマナーなども確認しておく
- 通学路を一緒に歩くなど回答に必要な行動をしておく
面接対策に不安がある場合には、中学受験の面接対策専門の塾や教室を利用するのもよいでしょう。
両親の服装
面接時の両親の服装は、落ち着いたもの、清楚なものを選びましょう。子どもと統一感のあると好印象です。学校説明会や入学後の保護者会などでも活用するため、中学受験をはじめるときに一式そろえておくとよいでしょう。
面接での具体的な両親の服装を、父親・母親別に解説します。
父親の服装
父親の服装は基本的にスーツスタイルです。以下のポイントをふまえて服装を選びましょう。
- 黒色または紺のスーツ
- ジャストサイズを選ぶ
- 靴下も黒または紺にする(白の靴下は避ける)
- 白無地のワイシャツ
- 黒や紺、グレーの落ち着いた色のネクタイ
- 黒か茶のシンプルな革靴
- 落ち着いた色のスリッパ
- しわになりにくい素材のもの(ウールなど)
- 腕時計は華美でないもの(黒や紺の皮ベルトなど)
母親の服装
母親の服装はパンツスーツ、ジャケットとスカート、ジャケットとワンピースのいずれかになります。着慣れている服装を選びましょう。たとえばふだんスカートを履き慣れていない場合は、パンツスーツが無難です。
- パンツスーツは紺色やグレーのもの
- ジャケットとスカートは派手過ぎず統一感のあるもの
- ジャケットとワンピースは体のラインが出ないもの
- リクルートスーツ、ビジネススーツなど堅苦しいものは避ける
- 白無地のシャツ
- ベージュのストッキング
- ヒールの高すぎない黒の靴またはパンプス
- 黒や紺のスリッパ
- 黒や紺のかばん
中学受験の面接対策は親子で行っておこう
親子面接がある場合には、親子そろって面接対策をしっかりやりましょう。お子さんの答え方が間違っていると思っても、叱るのではなくアドバイスしたり対話しながら一緒に楽しく取り組めると、自然体で面接に臨めるようになるでしょう。
「面接対策はこれから」「志望動機がいまいちパッとしない」という方は、以下の記事をご覧ください。複数の学校を受験する場合でも効率よく作成できる方法やや書き方の手順など、例文付きでたっぷり解説しています。