公立中高一貫校の中学受験は内申書も重要!内申点のポイントは?

内申書対策:影響する割合 評価項目、内申点の上げ方

中学受験で公立中高一貫校を目指すみなさん。

「公立中高一貫校ではどんな対策が必要なの?」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。公立でありながら、中学から高校までエスカレーター式で通える一貫校は、近年特に注目されており、志望者も年々増加傾向にあります。

公立中高一貫校では「内申書」が特に重要視され、普段からの学校生活や成績などが大きく影響します。

「どんなふうに過ごせば内申書がよくなるの?」「どんなところがチェックされるの?」と不安を大きく感じてしまうかもしれませんが、内申書の詳細をしっかり理解しておけば心配はありません。

この記事では、公立中高一貫校の中学受験の合否を左右する内申書がどれくらい影響するのか、チェックされる項目や内申点を上げる方法について詳しく解説しています。

ぜひ最後までご覧ください。

内申書(調査書/報告書)とは

5枚の封筒

内申書とは、公立中高一貫校を受験する際に入学願書とともに提出が求められる書類です。学校によっては調査書や報告書とも呼ばれています。内申書は、受験生が通う学校の担任の先生に作成を依頼します。

内申書には、以下の内容が記載されます。

  • 学校での各教科の成績(主要4科目+体育、音楽、家庭科、図画工作の4科目で計8科目)
  • 学校生活での特別活動や行動内容
  • 出欠状況

小学校生活すべての期間が内申書の内容として記載されるわけではありません。公立中高一貫校の場合、小学校5~6年生の2年間、または小学校4~6年生の3年間の学校での成績や学校生活が内申書の対象期間として指定される場合が多いです。

具体的な対象期間は、受験する学校によって異なります。小学校のすべての期間が記載対象になるわけではありません。小学校5年生と6年生の2年間、または小学校4~6年生の3年間が対象になるなど、学校によって異なります。

内申書は全体得点の平均2割程度

内申書は、私立中学校と公立中高一貫校で、合否に対する影響度が異なります。公立中高一貫校の場合は、筆記テストにあたる適性検査の結果と、内申書の内容によって合否が決まります。そのため、内申書は公立中高一貫校では影響が高いです。

内申書が合格にどの程度配点になるかは学校によって異なりますが、低い場合は18%ほど、高い場合は30%ほどになります。平均すると、内申書の合格配点は平均2割程度です。

私立中学校の場合は、出願の際に内申書の提出を求められない学校もあります。内申書の提出を求められても、それほど合格への影響はありません。ただし、出席が極端に少ないことなどが起こらないようにしましょう。

内申書で必ずチェックされる項目

内申書では、以下の項目が特にチェックされます。

  • 出欠席の状況
  • 各教科の成績
  • 学校での活動の様子
  • 生活態度
  • 課外活動

順に解説していきます。

出欠席の状況

出席日数、欠席日数、遅刻、早退の回数と理由がチェックされます。

各教科の成績

公立中高一貫校の場合、適性検査の成績だけでなく、ふだんの学校での成績も重要です。塾での勉強だけでなく、学校での勉強やテストも頑張っておきましょう。

内申書では、国語、算数、理科、社会の主4教科に加えて、体育、音楽、家庭科、図画工作の4教科、計8教科の成績がチェックされます。なお、小学校5年生から英語が正式教科になったため、今後成績には英語が加えられる可能性があります。

学校での活動の様子

学校での成績だけでなく、クラブ活動、委員会活動、学級での活動なども内申書に記載され、チェックされます。

生活態度

学校やふだんの生活での態度も内申書の記載項目のひとつです。友人関係、授業態度などが評価の対象になります。

課外活動

以下の学校以外での活動も評価対象となる場合があります。

  • 習い事
  • スポーツ少年団
  • ボランティア活動
  • 資格取得 など

内申点を上げるには?

自信を持つ男性

公立中高一貫校の中学受験では、内申書の内容も合格に大きな影響があります。内申書に記載されている「内申点」を上げるためには、以下の方法があります。

  • 学校の勉強や授業を頑張る
  • 良い生活態度を心がける
  • きちんとアピールをする

なお、内申書は小学校5~6年生、または4~6年生の期間が対象となります。小学6年生から急に内申点を上げるようにしても意味はありません。長期間での心がけや行動が重要です。公立中高一貫校の受験を目指すなら、日ごろから学校での成績や生活も重視しておくようにしましょう。

学校での勉強や授業を頑張る

中学受験のための勉強に集中するため、学校での勉強をおろそかにするのは厳禁です。私立中学校受験の場合、学校で学ぶこと以外の問題や範囲も入試に出題されるため、受験のための勉強が必要になります。

一方、公立中高一貫校の場合適性検査は学校で学ぶ内容が中心です。内申書にも学校の成績が内申点として記載されるため、学校の勉強や授業も頑張ることが、内申点を上げることにつながります。

学校での勉強や授業を頑張り、内申点を上げるには以下のポイントをおさえておきましょう。

  • テストで良い成績を取る
  • 授業に積極的に参加する(挙手、発言をするなど)
  • 宿題や提出物は指示通りに行い、忘れない
  • 分からないところは聞きに行くなど、楽しく勉強する姿勢が身についている

良い生活態度を心がける

学校での生活態度や活動の様子も、内申点として評価されます。良い成績を取るだけでなく、学校やふだんの生活態度も見直すことが、内申点を上げることにつながります。

生活態度や活動で内申点を上げるポイントは以下の通りです。

  • 友人とトラブル(喧嘩、いじめなど)を起こさず良い関係を築く
  • 遅刻や早退、欠席を理由なくしない
  • 学級活動、クラブ活動、委員会活動にも積極的に参加する
  • 挨拶をきちんとする
  • 下級生などにやさしく接する など

きちんとアピールする

学校での成績や態度が良くても、学校の先生が気が付かなければ内申書に良い評価として記載されることはありません。とくに、課外活動や学校外での活動で何か実績を残していても、学校の先生が知らなければ内申書には記載されないままです。

保護者は、学校の先生に対して内申書の内容を指定することはできません。ただし、以下のような課外活動や学校外活動での実績があれば「このような実績がある」ということは合わせて伝えるようにしましょう。

  • 習い事で受賞した
  • スポーツ少年団でスタメンや試合出場経験、受賞経験がある
  • ボランティア活動を行っている
  • 資格(英検や漢検)を取得した など

【公立中高一貫校の適性検査解説はこちら】

公立中高一貫校の受験は、学力試験ではなく適性検査という試験によって入学者が選抜されます。適性検査の内容や必要な能力について、詳しく解説します。

内申書作成を依頼する際の4つの注意点

ノートに書き出す女性

内申書は、学校の先生に依頼して作成してもらいます。公立中高一貫校合格のために、以下の内申書作成依頼のポイントをおさえておきましょう。

  • 内申書の作成依頼は早めに行う
  • 担任の先生にとって内申書作成は本来業務外
  • 内申書の受け取り手順は小学校によって異なる
  • 内申書作成のお礼はしない

内申書の作成依頼は早めに行う

内申書は、提出期日が決まっています。提出期日に間に合うように、できるだけ早く内申書の作成依頼を学校の先生へ行うようにしましょう。一般的に内申書のフォーマットが手に入るのは入学願書や内申書の配布が始まる9月ごろです。

ただし、内申書の評価対象は小学校6年生の2学期までが対象(2学期制の場合は1学期まで)となります。早めに提出しても、実際に完成した内申書を受け取るのは12月ごろと考えておきましょう。

担任の先生が作成した内申書は、ほかの先生に確認してもらう必要があります。また、内申書の対象期間が長い場合は、多くの先生が内申書の作成に関わります。学校の先生も余裕を持って作成を進められるように、できるだけ早く依頼を行いましょう。

内申書のフォーマットを手渡して依頼する前に、連絡帳や個人面談などで前々から内申書の作成を依頼する予定であることを伝えておくのも有効です。

担任の先生にとって内申書作成は本来業務外の仕事

内申書の作成は、担任の先生にとっては本来業務外の仕事となります。作成してもらうのが当然と思わず、忙しいなかでも業務外の仕事を受けてくれることに感謝しつつ、内申書の作成を依頼しましょう。

担任の先生の内申書作成の負担が少なくなるように、以下のような工夫や取り組みをしておくのも重要です。

  • 作成依頼はひとつにまとめる
  • スムーズに作業できるようにする

複数の中高一貫校を受験する場合は、学校ごとに内申書の提出が必要です。複数の内申書を作成する必要がある場合は、すべての学校の内申書作成をまとめて一度で依頼できるようにしましょう。

内申書のフォーマットと一緒に募集要項や子どもの学校外活動の実績を添えておく、志望校ごとにファイルで分けておく、失敗しても良いように下書き用のコピーを添えるなどすれば、学校の先生もスムーズに内申書作成に取り掛かれます。

内申書の受け取り手順は小学校によってさまざま

完成した内申書の受取手順は、子どもの通う小学校によってさまざまです。大きく分けると以下のふたつのパターンがあります。

  • 子どもに直接渡される
  • 保護者が学校に出向いて受け取る

学校に通う子どもに直接内申書が手渡される場合は、連絡帳やお手紙ケースなどに入れられることが多いです。事前に子どもに手渡す旨の連絡が入ることもあれば、連絡なしに渡される場合もあります。内申書の受取時期である12月ごろになったら、子どもにこまめに確認するようにしましょう。

保護者が小学校へ足を運んで受け取る場合、期日を指定されることもあれば、「ご都合のよいときに」といわれる場合もあります。学級担任が直接渡すこともあれば、事務員が渡すこともあります。スムーズに受け取れるように、学校からの指示を確認しておきましょう。

いずれの場合も、受け取った内申書を開封するのは厳禁です。

内申書作成のお礼は厳禁

内申書作成のお礼として、物品や金品を担任の先生に渡すのは厳禁です。渡そうとしても担任の先生は受け取れませんし、困らせてしまいます。口頭や連絡帳で作成へのお礼を述べるにとどめましょう。子どもが無事に公立中高一貫校に合格した際には、親子で合格の報告とともにお礼を伝えると良いでしょう。

公立中高一貫校は内申書対策として学校の成績や生活も重要

この記事を読んで、内申書は、学校の勉強や普段の態度、その他の学校内外の活動について重要視されることがよく理解できたのではないでしょうか。細かく注意すべき点はありますが、日頃から明るく前向きな姿勢で学校生活を送り、勉強にも積極的に取り組んでいれば、自然と内申点も評価はあがります。

必要以上の負担を子どもにかけないようにサポートしながら、明るく楽しく中学受験を目指しましょう。

「子供が中学受験に向いているかどうか不安」と感じる保護者の方には、中学受験のメリット・デメリットや中学受験を検討する際のチェックポイントなどを詳しく解説している以下の記事をご覧ください。