中学受験は必要?今迷っている人に、メリットを徹底解説

中学受験のメリット・ デメリットを徹底解説

少子化が進む中、これまでのような公立中学校とは異なり「大学への進学実績が高いから受験させたい」「大学付属の中高一貫校に進学させたい」という家庭が増えています。

そのため近年、「整った環境で勉強させたい」「最短で、志望中学に合格できる方法はないか」というお声を読者の皆様から数多くいただくようになりました。

ですが気持ちだけ先走ってはいけません。本当に中学受験は皆さんにとって必要か、情報を集めて落ち着いて判断する必要があります。勢いのまま子どもに無理をさせてしまっては本末転倒です。

そこで今回は、中学受験に関するメリット・デメリットについて詳しく解説します。特に、中学受験を目指すべきかどうかで悩んでいる小学生をお持ちの保護者さまは、ぜひ最後までご覧ください。

中学受験のメリット

満開の桜

まずは私立や国立中学に通うことに関するメリットはもとより、中学受験を通じて得た経験そのもののメリットについて、何点か挙げてみました。

質の高い教育が受けられる

私立や国立の中学校は、公立中学と比べて学校ごとの特色が強く、教育理念が大きく異なります。独創的な発想力を伸ばすことを目標とする学校や英語教育に力を入れている学校、キリスト教など宗教の理念に従った教育を行っている学校と、大きな特徴があります。

画一的な教育ではなく、質の高い教育を受けさせることができ、教育理念と子どもの資質が合致すると、子どもの長所を大きく伸ばすことができます。

大学進学の計画が立てやすい

近年は大学附属中の人気が高まっています。2022年に開催された共通テストでは一部の科目が難化され、多くの受験生が大学へ進学できるかどうかという不安を抱く結果となりました。そこで、今後は大学へ確実に進学したいというニーズが高まることが予想されます。大学附属中学を選ぶ大きなメリットは、高校受験と大学受験を受けずに大学へ進学できること。それが進学したい大学の付属であれば、なおのこと大きなメリットです。

ただし、全員が内部進学できるわけではないため、日常的に勉強は必要です。また、大学附属といっても、高校受験や大学受験でほかの学校を受験することは可能ですので、後に進学希望先が変わっても問題はありません。

また、中高一貫教育の場合、長期的な計画に立った学習を行っているため、大学進学に向けた目標に直結した勉強が行われているのもメリットです。公立中学よりも勉強の進み具合が早く、多くの学校では高校2年生の時点で高校のカリキュラムが終わり、高校3年生になると全ての時間を大学入試対策に費やすことができるのは大きな魅力です。

受験への努力が良い経験となる

中学受験では、公立小学校の授業では習わないような内容が多数出題されます。多くの子どもは小学4年生になる直前から受験対策のための勉強を開始する必要があり、幼いころからかなり多くの知識を身につけることが求められるでしょう。また暗記力や事務処理能力はもちろん、発想力や観察力などさまざまな能力も身につけます。

たとえ合格できなかったとしても、ひとつの目標に向かって長い間努力したという経験は、大人になってつらい経験をしたときに、きっと役立つでしょう。

有名校でなければ意味がない?

中学を受験するというと、超難関校やブランド校を受けるイメージが強く、「自分の子どもは学校の成績やスポーツの能力は平均的なので、中学受験とは無縁」と思われる方がいらっしゃるかもしれません。

しかし、偏差値が高い中学に入って難しい勉強を学ぶだけが、私立中学に通う目的ではありません。今や価値観の多様化などから、さまざまな理由で私立中学が選ばれています。

その子に合った教育で伸びる可能性も

私立中学では、画一的になりがちな公立中学とは異なり、学校ごとに独自の教育理念を掲げ、教育設備が充実しています。子どもの個性を伸ばすためにも、難易度や知名度よりも、教育理念やカリキュラムで受験先を選びましょう。

また、中学受験を経て生徒が集まるということは、比較的学力が近い生徒が集まることになるため、個人ごとの極端なレベル差はなく、「中学に入ったら、授業についていけなくなるのではないか」という心配は少なくてすみます。

公立中学では、個人ごとの学力レベル差とは無関係に同一の授業が行われるため、人によって「授業についていけない」「逆に授業が簡単すぎてつまらない」となり、どちらの場合でも授業への興味を失うケースが発生します。自分に合った環境のなかで学校生活を送ることによって、長所を伸ばせる可能性が高いといえます。

中学受験のデメリット

数学の解答用紙

中学受験にあたってはメリットだけではなく​​、デメリットがあることも押さえておく必要があります。あらかじめどのようなデメリットがあるのか知っておくことによって、先回りして対処可能となり、不安を払拭することができます。

経済的・時間的な負担が大きい

中学受験のデメリットで1番にあげられるのが、お金がかかること。私立中学に関する学費そのものがかなり高いうえに、中学受験に向けて通塾するなど、準備にもかなりの費用がかかることは覚悟が必要です。

親御さんにとっては金銭的な負担だけではなく、時間的な負担もかかります。中学受験のために子どもは、ただ塾に行けばいいというわけではなく、生活面で親御さんのサポートが必要です。塾が自宅から遠い場所だと行き帰りについて行く必要がありますし、家で遅い時間まで予習復習を行う場合は、食事や健康面でのサポートがさらに必要です。

また、子どもにとっても時間的な負担はかかります。小学生時代は学習塾以外にも野球やサッカーといったスポーツや、ピアノやバレエ、習字といった芸術に関する習い事をさせるケースもあります。しかし、中学受験にチャレンジしようと思うと、小学校にいる時間以外のほとんどは、習い事に時間を費やすことは困難となり、学問以外の才能を伸ばす機会を減らす可能性があります。

友人関係の再構築が必要

公立中学であれば、通常は小学生の時の友人が同じ中学に入ることになりますが、国立や私立中学でいろんな地域から受験して入学する場合は、生徒が住んでいるところもバラバラとなるでしょう。偶然、同じ学校や塾の出身で顔見知りの生徒がいない限りは、新しく友達関係を構築しなければならず、そこに労力をかけることになります。

さらに、住んでいる場所がバラバラということは、休みの日に頻繁に集まって遊ぶことは少し難しそうです。しかし、いまやSNSが発達しているので、昔と比べると距離上の制約がなくコミュニケーションが取りやすい環境にあります。また中高一貫校であれば6年という長い期間交流がもてるので、より強固な友人関係を構築するチャンスと捉えることができるでしょう。

中学受験にかかる費用に関しては、当ブログの「中学受験にかかる費用を解説!塾費用やその他費用を抑えるコツも」という記事に詳しく載っていますので、そちらも参照してください。

環境が整えられれば受験した方が良い

私立中学を選ぶにしろ、公立中学を選ぶにしろ「どんな学校にするべきか」を決める時には、子どもの特性に合わせた学校を選ぶべきです。知名度やブランドだけでなく、その学校の教育理念やカリキュラムをしっかり調べてよく理解しておかなければ、あとになって「こんなはずではなかった」と悔やんでしまうことにもなりかねません。

ぜひこの機会に子どもが「行きたい」と思う学校についての認識を再確認し、十分な話し合いのもと中学受験に臨みましょう。

「実際のところみんな、どのくらい子どもに勉強させてるの!?」と、勉強時間に不安のある方は、以下の記事をおすすめします。受験勉強の効率を上げるための5つの方法まで詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。