短大を選ぶメリットは?大学や専門学校と比較!

あなたに合った選択を 短大のメリット・デメリット

高校卒業後の進路を決めるときに、「短大をあえて選ぶメリットはなんだろう」と考えた人もいるのではないでしょうか。短大の特徴やメリットを知ることで、進路の選択肢の1つとして、検討するきっかけになるでしょう。

今回は、短大と大学、専門学校の違いと、短大を進学先に選ぶメリット・デメリット、短大から大卒の資格を得る方法をご紹介します。

短大と大学・専門学校の違い

ひとりだけ閃く

短大と大学、専門学校の大きな違いは、教育の内容と卒業で得られる学位、修業年限です。それぞれの違いを表にまとめました。

   教育内容の特徴得られる学位(称号)  修業年限
短大・幅広い教養を学ぶ
・職業、実生活に役立つ能力を身に付ける
短期大学士2年ないし3年
大学・幅広い教養を学ぶ
・学術的な研究を行う
・理論を重視した教育
学士4年ないし6年
専門学校・職業に直結する実践的な知識
・技能を身に付ける
専門士1~4年

短大と大学は、幅広い教養を学べる点が共通しています。短大ではより職業や生活に役立つ実践的な能力を身につけることに力を入れている点が、学術的な学問を体系的に学ぶ大学とは異なります。

また、職業に直結する実践的な教育を行っている点で、短大と専門学校は似ているようにも思えます。違いは、専門学校は専門領域の知識、技術の教育により特化した学校である点です。

つまり、短大は大学と同様に幅広い教養を学べるとともに、専門学校に近い実践的な知識・技術も身に付けられる、両方の特徴をあわせ持ったような教育機関だといえます。

ただし、大学と比べると短い年限で修了するために、専門外の領域を学ぶ機会は比較的少なくなります。

短大の入試の内容は、当ブログの「短大の入試の内容は?3種類の試験についてそれぞれ解説!」という記事に詳しく載っていますので、そちらも参照してください。

短大に進学するメリット

良いことと悪いことを区別する

進学先に短大を選ぶことで得られるメリットには、次のようなものがあります。

  • 短い時間で集中的に学べる
  • 小規模・少人数で先生やほかの学生と深くかかわれる
  • 学費が比較的安い
  • 地元での就職に強い

それぞれのメリットについて、詳しく解説します。

短い時間で集中的に学べる

短大の大きな特徴は、2年間(一部3年間)という短い時間で修了できる点です。短い期間に必要なカリキュラムがしっかりと組まれているために、専門分野について集中して効率的に学べます。なおかつ、短期間で教養科目も履修可能です。

取得したい資格がある人や、教養を身に付けたうえで早く社会に出て働きたい人にとっては、短大に進学するメリットは大きいでしょう。

小規模・少人数で教員やほかの学生と深く関われる

専門的な学部・学科に特化していることが多い短大は、総合大学と比べると規模が小さく、人数が少ないことが多いのも特徴です。その分、学生同士の親密度が高く、アットホームな環境の学校が多く見られます。

また、教員との距離感も近いことから、学生一人一人について教員が把握した状態で、適切な指導を受けられる点もメリットです。学生と教員の人数によっては、マンツーマンで資格取得の指導や就職支援を受けられるでしょう。

学費が比較的安い

在学期間が通常2年ないし3年と短いため、4年生大学と比べて学費の負担を低く抑えられます。しっかりと学びたいが費用はあまりかけられないという人にとっては、魅力的な選択肢となるでしょう。

ちなみに、日本精査金融公庫「令和3年度 教育費負担の実態調査結果」によると、1年間当たりの学校教育費(授業料、通学費、教科書代など)は、短大が約130万円、大学が約142万円です。2年制短大と4年制大学の卒業までの費用を比べると、短大:130万円×2年間=260万円、大学:142万円×4年間=568万円となり、300万円以上の差となります。

また、公立の短大の場合は私立と比べて費用が安いことに加えて、地域内からの進学者の入学金が安く設定されるため、さらに費用を抑えられます。

地元での就職に強い

短大では職業に直結する知識を学べることや、在学中や卒業と同時に幼稚園教諭や保育士、栄養士といった免許・資格を取得する学生も多いことから、卒業後の就職決定率も高い水準にあります。

なかでも、自県内の企業や団体などへの就職率が非常に高いのが特徴です。日本私立短期大学協会が令和3年度に行った調査によると、自県内就職率は全国平均74.1%にものぼります。地域別にみると、最も自県内就職率が高い北海道では94.4%、次に高い四国では82.5%もの人が、自県での就職を決めています。

これは短大がそれだけ地域と密接な関係にある教育機関だということです。地元短大への進学は、地域企業とのパイプが太いことから、将来は地元で就職したいと考える人にとって強みとなるでしょう。


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短大に進学するデメリット

赤色鉛筆で採点

進学先に短大を選ぶメリットは多いですが、一方でデメリットもあることは知っておく必要があります。短大に進学する主なデメリットは、次のようなものです。

  • 時間的なゆとりが少ない
  • 専門外の内容を学ぶ機会が少ない
  • 大学と比べて就職で不利になることがある

以下で、それぞれのデメリットについて、1つずつ確認しましょう。

時間的なゆとりが少ない

2年間で集中して必要なことを学べるのは短大のメリットですが、学科の勉強や実習などカリキュラムがいっぱいに詰まっている分、プライベートの時間の余裕は失われがちです。とくに2年次になると学校の勉強と並行して就職活動も始まるために、非常に忙しくなる可能性があります。

勉強だけに集中して時間を充てたい人には問題ありませんが、学費の足しにアルバイトをしたい人、学生のうちに趣味にも時間を割きたい人などにとっては、慌ただしい学生生活になるかもしれません。

また、社会に出るまでの時間が短いために、新たに興味を抱いた分野を掘り下げたり、自分が将来本当にやりたいことを見極めたりするのには時間が足りないという声もあります。

専門外の内容を学ぶ機会が少ない

大学と比べると学べることが少ないというデメリットもあります。免許取得などに必要な内容をコンパクトにカリキュラムに組み込むために、専門科目以外の一般教養などに充てる時間が少なくなりがちなのが原因です。

学生時代に専門外のことについてもたっぷりと学びたいと考える人には、短大はあまり向いていないといえるのではないでしょうか。

大学と比べて就職で不利になることがある

業界や個々の企業の考え方にもよりますが、短大卒の学歴の人は、大学卒の学歴の人と比べて、就職後の初任給が低かったり、昇進・昇給が遅くなったりすることがあります。また、大学卒以上の学歴や修士以上の学位を応募の条件としている企業も少なくないため、就職の間口は大学と比べてどうしても狭くなるでしょう。

また、公務員試験の区分として学歴を目安としているものもあります。「大学卒業程度」の公務員試験のなかには短大卒の学歴で受験できるものもありますが、学力の差を埋めるための独習が必要です。また、なかには大卒者でなければほぼ受験ができない職種もあるため、注意しましょう。

短大に進学した人が大卒の学位を取る方法

式服(アカデミックガウン)を着た人の影

就職などを理由に「短大を進学先に選んだけれど、やはり大卒の資格がほしい」という場合、次の2つの方法があります。

  • 大学に編入する
  • 単位積み上げ型の学士の学位授与制度を利用する

短大から大学に編入する場合、短大の1年次を終えて4年制大学の2年次に編入する方法と、短大の2年次を終えて(2年制短大の場合は卒業して)4年制大学の3年次に編入する方法があります。

必要な単位が取得できていれば、短大在学期間と合わせて4年間で大学を卒業可能です。ただし、大学編入の募集枠はどの大学でも少なく、毎年必ず募集があるわけではありません。

「単位積み上げ型の学士の学位授与制度」とは、短大の課程を修了したのちに、さらに所定の単位を取得し、独立行政法人大学評価・学位授与機構の審査で大卒者と同等以上の学力があると認められた人に「学士」の学位が与えられる制度です。所定の単位は、短大に設置された認定専攻科や、大学の科目等履修生制度で取得できます。

この制度を利用すると、2年間または3年間腰を据えて短大で学んだのちに、興味・関心に応じて新たな場で単位を重ねる方法で、大卒と同じ学位を取得可能です。

短大はぎゅっと凝縮して必要な知識を学べる学校

短大に進学する大きなメリットは、2年間ないし3年間という短い期間で、免許取得などに必要な知識を集中的に学べる点です。早く社会に出て働きたい人にとっては、効率の良い学校だといえるでしょう。期間が短い分、学費が抑えられるという利点もあります。

一方で、大卒と比べると就職で不利になることがある点には、注意が必要です。どうしても大卒の資格が必要となった場合には、大学編入や認定専攻科に進んで学位を取る方法があるため、将来の希望などに合わせて活用するとよいでしょう。