中学受験の志望動機の書き方は?動機を書く理由や模範解答・例文

学校側は何を見る? 志望動機6つのコツ

中学受験の願書に書く志望動機。「何を書けば印象がいいの?」「そもそも志望動機の書き方がわからない」といった不安をお持ちの方はとても多いです。志望動機は願書にも書きますが、面接でも必ず聞かれるため、合格のためにしっかり考えるべき項目です。

複数の学校を受験する場合、すべて同じ志望動機を使い回したり、対策本通りに書いたりすると、学校の先生方の印象には残りません。となると、受験する学校に合った志望動機を効率よく作成する方法が気になるところですよね。

今回は、志望動機を書くコツや書き方の手順、志望校が志望動機を知りたい理由について解説します。例文も紹介していますので、記事を読めば、熱意が伝わる、自分らしい志望動機が書けるようになります。

志望動機を書くコツ

ノートと電筆削り

志望校の願書に書く志望動機を作成するコツは、以下の通りです。

  • 学校ごとに志望動機を作成する
  • 様式間違い、誤字脱字、間違えやすい言葉遣いに注意する
  • 読み手がいることを前提にする
  • 自分の言葉で書く
  • 嘘はつかない
  • 面接がある場合は内容を統一する

学校ごとに志望動機を作成する

中学受験で複数の学校を受ける場合、志望校ごとに願書および志望動機の作成が必要になります。作成する手間を省くために、同じ志望動機を使いまわすのは避けましょう。志望動機には、志望校の校風や特徴をふまえて感じた魅力や動機を記載するのが重要です。

説明会や文化祭などの行事に参加したときのことや、付属校の魅力など、志望校にしかない特徴を明記しつつ志望動機を作成するようにしましょう。

書式間違い、誤字脱字、間違えやすい言葉遣いに注意する

願書の書式は学校それぞれで異なります。必ず志望校ごとに願書を取り寄せ、書式に従って志望動機を含めて願書を作成するようにしましょう。作成し終わったら、誤字脱字がないかもチェックします。

志望動機を作成するときに、以下のような間違えやすい言葉遣いや書き方にも気を付けましょう。

  • です、ます調で書く
  • 時候の挨拶は書かない
  • 指示語(あれ、これ、それ、どれ)は避ける
  • 「~しています」と書く(「~しております」は堅苦しいので避ける)
  • 「考える」と書く(「思う」はあいまいなため避ける)
  • 子どもの一人称は「僕」または「私」
  • 親の一人称は「私共」
  • 子どもから親の呼び方は「父」「母」
  • 親から子どもの呼び方は「息子」「娘」(「愚息」は違和感があるため避ける)
  • 志望校を指すときは「貴校」(御校は話し言葉なので間違い)
  • 学校の生徒を指すときは「在校生の皆様(方々)」
  • 学校の先生を指すときは「先生」「先生方」「校長先生」「教頭先生」

読み手がいることを前提にする

志望動機は、志望校の先生へ子どもや親が志望校への入学を希望する理由を伝えるために書きます。

読み手である「志望校の先生」へ「入学を希望する理由」を伝えることを意識して作成しましょう。読み手がいることを意識することで、志望動機に熱意を込めて作成できるようになります。

自分の言葉で書く

志望動機を作成するとき、例文を参考にする人も多いです。ただし、例文通りに志望動機を書いてしまうと、ありがちな内容となってしまいます。多くの志望動機に目を通してきた先生には、自分の言葉ではないことが見抜かれてしまうでしょう。

自分の言葉で志望動機を作成するには、何度も練習する必要があります。早めに志望動機を書く練習をはじめておけば、少しずつ自分の言葉で志望動機を書けるようになるでしょう。

嘘はつかない

志望動機は、多少の誇張は許されるものの全くの嘘を書くのはよくありません。できるだけ素直に、正直な内容を書くようにしましょう。

たとえば、吹奏楽の強豪校を受けるときに、吹奏楽の経験がないにも関わらず「私は3歳のときからトランペットの演奏をはじめました」と嘘をつくのは厳禁です。学校の教育方針や特徴に共感、賛同する内容を素直に書くようにしましょう。

面接がある場合は内容を統一する

入試に面接を設けている学校の場合、願書と面接で発言する志望動機の内容は統一しておきましょう。

願書は、面接の参考資料として使われることが多くなっています。願書と面接での志望動機が異なると、学校から不信感を持たれてしまいます。面接前に志望動機について再度確認しておくようにしましょう。

受験専門サクセス

<中学受験・合格体験談>

東京都  T・Kさん
志望校の予想問題と、願書ワークで合格しました!

娘の友達のお母さんに、サクセスさんの問題集がとてもよく、合格できたと勧められて、購入しました。 過去問が出ていない学校だったので、こちらの問題集を使うまでは、傾向もわかりませんでしたが、この予想問題集は、テストの回数も多くのっているので、こなすうちに傾向を掴むことができました。

願書の志望動機は、恥ずかしながら、親の私が苦手な分野でした。 頑張っている娘のためにも、絶対合格させたいという一心で、テキストのとおりにすすめていくことで、本当に願書作成が形になっていきました。 合格をすることができたのは、本当にサクセスさんの問題集のお陰です。私も友人に勧めます。

中学受験の志望動機を書く手順

中学受験の志望動機を書く手順は、以下の通りです。

1.願書を入手する

2.志望校を受験する理由を箇条書きにする

3.志望校の魅力を箇条書きにする

4.箇条書きを文章にする

5.保護者がチェックする

手順1.願書を入手する

志望校の願書は、学校説明会や入学説明会で配布されます。受験する予定の学校すべての願書が必要ですが、受験しない学校の分を取り寄せても無駄になってしまいます。受験する学校を絞っておきましょう。下書きと清書、子ども用と保護者用と考え、願書は各2部ずつ入手します。

学校説明会や入学説明会は、その学校の特色や教育方針などの情報が入手できるチャンスです。できれば説明会に出席して願書を入手するのがよいですが、予定が合わないなどの理由で参加できない場合、ホームページなどから取り寄せができます。

複数校を受験する場合は、願書や入学案内をファイルなどで学校ごとに分けて整理しておきましょう。

中学受験受付のスケジュールは12月下旬~1月です。受付に間に合うように、志望動機をふくめた願書の作成は早めに進めておきましょう。

手順2.志望校を受験する理由を箇条書きにする

まず、志望校を受験したいと思った理由を箇条書きにしましょう。「家から近い」「やりたい部活動がある」「校風が明るい」「付属大学に将来に直結する学部がある」などです。

手順3.志望校の魅力を箇条書きにする

次に、志望校の入学案内やホームページなどを参考に、志望校で魅力を感じた部分を箇条書きにします。

このとき「エレベーターがある」「校庭が広い」「校舎が新しい」など外見的な魅力を出すのは避けます。教育方針や校風などで魅力を感じた部分を抜き出すようにしましょう。たとえば、「校庭が広い」→「陸上部を希望しているため、懸命に練習できる広い校庭に魅力を感じた」とするのは問題ありません。

理由や魅力を箇条書きにするとき、欠点やデメリットを抜き出す必要はありません。

手順4.箇条書きを文章にする

箇条書きにしたポイントを文書にして志望動機を作成します。このとき、校風、行事、部活動などその学校ならではの特色に関連したポイントを取り込むようにするのが重要です。

複数の学校の志望動機を作成する場合は、学校ごとの特徴や魅力が混じってしまわないようにしましょう。

手順5.保護者がチェックする

志望動機が書けたら保護者がチェックします。

保護者の意見を押し付けたり、否定的な感想を述べたりするのは厳禁です。子どもが志望動機を作成する意欲を失ってしまう原因となります。誤字脱字がないか、内容の整合性が取れているかをチェックするのにとどめておきましょう。

受験専門サクセス

<中学受験・合格体験談>

千葉県  Y・Sさん
ストレスフリーで志望動機を作成!志望校に好印象を与え合格しました。

私は文章が苦手で、願書の志望動機の記入欄がなかなか着手できず後回しにして、願書締め切りにいよいよ間に合わないとなり、例文を探そうとネット検索していたら受験サクセスの学校別問題集と願書ワークのセットを見つけました。願書ワークの「8日間で完成」「型にはめて書ける」点が魅力的で申し込みをしました。

自己分析がワークになっているので、子供もゲーム感覚で面白がって取り組んでくれましたし、短所をプラスに表現するコツは本当に助かりました。型に合わせて志望動機をまとめると非常に書きやすく、いつの間にか作成してしまいました。

学科試験も、学校別問題集で予行演習・総まとめができて、子どもも自信をもって本試験を迎えられました。

中学校が志望動機を知りたい本当の理由

春の学校

中学校が志望動機を知りたい理由には、以下の2つがあります。

  • 学校運営に賛同できる家庭か
  • 子どもが学校に合っているか

私立中学校は、学校それぞれで独自の方針や理念を持っています。学校の方針や理念に従った運営に賛同できる家庭であるかを判断するために、志望動機を求めます。

また、私立中学校は義務教育ながら生徒を退学させることが可能です。退学者を出さないために、校風や環境に子どもが合っているかどうかを判断するのにも、志望動機が活用されます。

中学受験の志望動機の例文

中学受験の志望動機の例文を、子どもが書く場合、保護者が書く場合ともに解説します。志望動機作成の参考に役立ててください。

例文1.子どもが書く志望動機の場合

子どもが志望動機を書く場合、子どもらしく素直な表現と内容を心がけるのが重要です。保護者がチェックするときに、大人びた表現やかしこまった表現にならないように気を付けましょう。

【例文】

この学校が自宅から近いため、学園祭に毎年足を運んでいました。先輩たちの出店や出展などは本格的なものが多く、僕も楽しい時間を過ごせました。学園祭までに多くの準備を行ってきたのだろうと感じ、僕も仲間とともに学園祭を盛り上げ、よい思い出を作りたいと考えました。

僕は小学校1年生のときから野球を続けています。軟式野球部、高校には硬式野球部もあるこの学校で野球を頑張りたいのも、入学したいと思った理由です。

例文2.保護者が書く志望動機の場合

保護者が志望動機を書く場合、子どもが主役であることをふまえておきましょう。親の希望を前面に出してしまうのは厳禁です。

【例文】

私共は、貴校の学園祭や発表会などの行事に何度も足を運びました。その際、在校生の方々が息子や私にも礼儀正しく、親切に接してくださったのがとても印象に残りました。在校生の皆さ同士で過ごしているときは、学生らしく快活な様子が見られましたので、貴校の礼節を重んじる教育方針に沿いつつも、明るく過ごせる学校環境が整っていることが分かりました。

ぜひ息子にも、貴校の先輩方のように親切で明朗な中学生になってほしいと考えています。

願書の写真は写真店で

ポラロイドカメラで撮影

願書に使用する写真は、スピード写真ではなく写真店で撮影した写真を使用しましょう。スピード写真よりも出来栄えがよいため、願書でも好印象をアピールできます。

また、同じ写真が必要になったときでも、再度撮影することなく取り寄せができます。急に願書を作成する必要があるときでも、すでに撮影した写真を取り寄せられるので安心です。

志望動機は志望校の合格を決める大切な要素

ありきたりなマニュアル通りの志望動機ではなく、志望校の特色や情報をリサーチし、どこに魅力を感じるのかを深掘りしましょう。そして、子どもの希望が志望校で実現できることは何かを考え、「その学校に行きたい」という気持ちが伝わる志望動機を作成することが、合格につながります。

中学受験の面接でどんなことが聞かれるのか、頻出質問の対策を万全にするために、以下の記事をおすすめします。よく聞かれる9つの質問と模範解答を解説していますので、しっかり対策をしておきましょう。