高校へスムーズに進学できるだけでなく、公立中学校・高校と同じ程度の学費で済む公立中高一貫校は、中学受験の志望校として大変人気です。でも、「人気」ということは、ライバルも沢山いるということ…。子どもよりも親の方が緊張しますよね。一世一代の試験ですから、ライバルを越えて、子どもには「合格」という成功体験をさせたいものです。
そのため保護者の方からは、合格のコツに関するお問い合わせをくださるほか、当ブログで扱っている、学校ごとに出題傾向を合わせた「中学受験合格レベル問題集」のご注文もくださり、93.5%という高い満足度を頂いています。
そんな当ブログが今回お届けするのは、特にお問い合わせの多かった「面接対策」の極意。公立中高一貫校は、私立中学校受験と異なる適性試験や面接が実施されるので、対策は必須です。面接で評価される4つのポイントに加え、12種もの頻出質問を回答付きで解説します。
- 1 公立中高一貫校の面接形式
- 2 面接で評価される4つのポイント
- 3 面接でよく聞かれる12種の質問とその模範回答
- 3.1 【質問1】受験番号と名前を教えてください
- 3.2 【質問2】試験は難しかったですか
- 3.3 【質問3】この学校を志望した理由(志望動機)を教えてください
- 3.4 【質問4】小学校生活で思い出に残っていることは何ですか
- 3.5 【質問5】今日はここまで何で来ましたか、どれくらいかかりましたか(通学手段を教えてください)
- 3.6 【質問6】家族構成を教えてください
- 3.7 【質問7】将来の夢はありますか
- 3.8 【質問8】この学校に入学したら何をやりたいですか
- 3.9 【質問9】最近気になった話題やニュースはありますか
- 3.10 【質問10】あなたの長所と短所を教えてください
- 3.11 【質問11】ほかの学校は受験しましたか
- 3.12 【質問12】趣味や特技はありますか、なぜ特技になりましたか
- 4 リラックスして回答できることが合格への近道
公立中高一貫校の面接形式
公立中高一貫校の面接形式は、受験する公立中高一貫校によって異なります。おもな公立中高一貫校の面接官の人数や、面接形式を解説します。
面接官の人数
公立中高一貫校の面接において、面接官の人数はひとりだけの場合もあれば複数の場合もあります。次に紹介する面接形式によって、面接官の人数が異なります。
お子さま1人だけ?保護者同伴?学校によってバラバラ
公立中高一貫校の面接形式は学校によってバラバラです。おもな面接形式は、以下の3つがあります。
- 個別面接
- グループ面接
- 親子面接
個別面接は、受験生ひとりで受ける面接です。面接官と1対1の場合もあれば、ひとりの受験生に対して複数の面接官と面接する場合もあります。入室後、受験番号や氏名などの質問で本人確認後、面接官から聞かれる質問に答えていきます。面接時間は、ひとりあたり5分~20分以上と学校によってバラバラです。
グループ面接は、5人程度でグループ分けされた受験生複数で同時に受ける面接です。全員に対して同じ質問をすることもあれば、ひとりずつ異なる質問がされる場合もあります。質問に対して指名されることもあれば、挙手で答えさせる学校もあります。一問一答形式に加えて、グループディスカッションを行う場合もあるため、学校の面接形式を調べることが重要です。グループ面接の場合、ひとりあたりの時間に換算すると5分程度の場合が多くなっています。
親子面接は、受験生のほか保護者も面接も受けます。親子同時に受けることもあれば、受験生と保護者が別々で受ける場合もあります。
【受験専門サクセス】
<中学受験 合格体験談>
愛知県 K・Hさん
願書の内容が面接で聞かれ、苦手だった面接が楽しく答えられ合格!
私は、おしゃべりは得意なのですが、面接はまとめながら話さないといけないので、それがなかなか上手くできなくてなやんでいました。でも、サクセスさんの中学受験願書最強ワークを取り組むうちにコツがつかめてきて、苦手だった面接が、おかげで本番は楽しんでできました。
ワークは、1日ずつ取り組めるようになっていたので、とりあえずその通りにやっていったら、いつの間にか願書ができ上がって、とてもスムーズに書けて達成感がありました。面接では、主に願書に書いたことを聞かれたので、願書最強ワークの成果が発揮できた手ごたえがありました。
私のように、話をまとめるのが苦手で悩んでいる受験生には、特におすすめしたいです。
面接で評価される4つのポイント
公立中高一貫校の面接では、以下の4つのポイントが評価されます。
- 言葉遣い
- 態度
- マナー
- 服装
面接での言葉遣いは丁寧語、「お父さん・お母さん」ではなく「父・母」と呼び、できれば敬語も使用できるようにしておきましょう。大きい声、返事ははっきり、早口にならないように落ち着いて答える、分からないときは「分かりません」と答えるなどの、受験生の態度も評価されます。
入退室時の挨拶、入室時のノックは3回、相手の目を見て話す、姿勢は正しくなどのマナーもチェックされます。服装は制服がある場合は小学校の制服、なければブレザー、シャツ、男子はパンツ、女子はスカートを着用します。靴はローファーの場合が多いです。ネクタイやリボンを着用してもよいですが、必須ではありません。保護者はスーツを着用しましょう。
面接でよく聞かれる12種の質問とその模範回答
中高一貫校の面接でよく聞かれる質問と、模範解答をまとめました。いずれの質問も、質問に対して具体的な内容を答えるのが重要です。
【質問1】受験番号と名前を教えてください
「受験番号○○番、✕✕です。」
【質問2】試験は難しかったですか
「算数の文章問題が難しかったです。けれども、全力でがんばりました」
「国語の漢字は勉強したところが出たため、落ち着いて答えられました」
(正直に答えるが、ネガティブな内容にならないようにする)
【質問3】この学校を志望した理由(志望動機)を教えてください
「高校から英語や理系など、将来学びたいに合ったコースを選んで勉強ができるからです。自分が将来就きたい仕事に直結した勉強ができると思ったので、志望しました。」
(家から近いなど、どの学校でも当てはまる回答は避ける)
【質問4】小学校生活で思い出に残っていることは何ですか
「小学6年生で行った修学旅行です。日光東照宮をはじめとした美しい建築物に感動しました。また、父と母から離れて、クラスの皆と一緒に宿泊する経験はとても貴重で、普段とは違った楽しい時間も過ごせました。」
【質問5】今日はここまで何で来ましたか、どれくらいかかりましたか(通学手段を教えてください)
「自宅から最寄りのA駅まで徒歩10分、それから○○線に20分ほど乗り、B駅で下車します。B駅から御校まで5分ほど歩いて到着します。」
(具体的な交通手段を答えられるようにする)
【質問6】家族構成を教えてください
「父、母、祖母、中学2年生の兄がいます。」
【質問7】将来の夢はありますか
「将来は、学校の先生になりたいです。母が小学校の教師をしていて、小さいときから母の仕事に強いあこがれがありました。まだどの学校の先生になるかは決めていませんが、将来のために中学生になっても一生懸命勉強しようと考えています。」
【質問8】この学校に入学したら何をやりたいですか
「勉強を頑張るのはもちろん、部活動にも力を入れたいです。御校に入学したらいろいろな受賞をしている吹奏楽部に入部したいと考えています。私は小学校1年生のときからピアノをはじめ、音楽が大好きです。もっといろいろな楽器にも挑戦してみたいのと、チームワークが大切な吹奏楽に興味があるため、吹奏楽部での部活動を頑張りたいと思います。」
【質問9】最近気になった話題やニュースはありますか
「介護現場の人手不足と、給料が低いため賃上げが検討されていることです。私の祖母は週に2回ほどデイケアサービスセンターに通っています。介護士さんはいつでも親切に祖母に接してくれていて、大変お世話になっています。介護士さんがよりよく働ける環境を整えるのはとても大切だと感じました。」
【質問10】あなたの長所と短所を教えてください
「私の長所は、根気があるところです。一度やろうと決めたことは、最後まであきらめずにやりとげるようにしています。好きな作家の本をすべて読破しようと目標をたてて、今年の夏休みに達成できました。」
「私の短所は少し心配性なところです。あまり心配ばかりしないように、できるだけ前向きに考えるようにしています。」
(短所を答える場合は、短所だけを答えるだけでなく対策方法なども一緒に答える)
【質問11】ほかの学校は受験しましたか
「受験したのは御校だけです。」
「御校のほかに○○中学校を受験しています。」
(正直に答えてよい)
【質問12】趣味や特技はありますか、なぜ特技になりましたか
「書道が得意です。兄が先に書道をはじめていたため、小学校2年生のときから一緒に通うようになりました。兄に負けたくないという気持ちから一生懸命に練習して、賞を受賞した経験もあり自信があります。今でも週に2回書道教室にかかさず通っています。」
リラックスして回答できることが合格への近道
公立中高一貫校の面接は、服装やマナー、態度を身につけるだけでなく、受験する子どもがリラックスして回答できるようにするのも重要です。面接本番で緊張してしまうのは仕方がなく、緊張していること自体がマイナスになることはありません。ただし、緊張しすぎてまったく質問に答えられなかった、ということは避けなければいけません。子どもがリラックスして質問に回答できるように、面接対策をしっかりと行っておきましょう。
面接を受ける前には、適性検査を突破する必要があります。適性検査に取り組む際に必要な能力を6つ解説していますので、ぜひ参照してください。