中学受験で両親に面接はある?親子面接で聞かれる質問を解説

中学受験の面接対策 親子それぞれの頻出質問

中学受験には、学力試験のほかに面接試験があります。「中学受験では面接でどんなことが聞かれるの?」「どんな答えを準備しておけばいいの?」と、いまから不安を感じて緊張している人も多いのではないでしょうか。大人になっても、面接は緊張するものですよね。

しかし「中学受験の面接はどんな目的で行われるのか」ということを理解しておけば、必要以上の緊張を感じることも少なくなり、落ち着いて面接にのぞむことができるようになります。

そこで今回は、中学受験における面接の目的から、個人面接と親子面接でよく聞かれる8つの質問と回答例について詳しく解説します。

面接の形式や、当日気をつけておきたいポイントについても紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。

中学受験における面接の目的

空と一体化したドア

中学受験において、一般的に学力試験で合格点をとれていれば、面接の内容によって合否は影響しないと理解してよいでしょう。中学受験における面接では、学校側と受験生側が直接顔を合わせることで、書類を確認しながら情報に相違がないか確認するために実施されています。

ただし、学力試験において複数人が同じ点数をとっている場合など、学力試験の点数以外の基準で合否を判定する必要がある場合、面接試験の評価が合否に影響する可能性は否定できません。

また、学力試験でどんなに高得点を獲得しても、面接で目に余るほど態度が悪い場合は、学校によって合格が遠のく可能性もありえるため、受験の一部として面接もしっかりと対策をしておくことが大切です。

面接方式は主に3種類

放課後の教室

中学受験では、主に3つの方式で面接が実施されています。子どもが1人で受ける「個人面接」、複数人の子どもが一緒に受ける「グループ面接」、保護者と子どもが受ける「親子面接」の面接方式について、その違いを理解しておきましょう。

個人面接

個人面接では、1人または複数人の面接官に対し、受験生本人が面接に臨むスタイルです。入室後は、受験番号と氏名などによる本人確認を行ったうえで、徐々に深い質問へと移っていきます。一般的には5分程度の所要時間で終わるケースが多いですが、面接を重要視する学校では20分程度の時間をかけて行う場合もあります。

グループ面接

受験生を複数人のグループに分けて行う面接方式です。一般的には、受験番号順にグループに分けられます。全員が同じ質問に回答するパターンもあれば、個別に質問をするパターンなど、学校により面接の進め方はさまざまです。基本的に一人あたりに割かれる時間が短いため、数分しか話せない場合が多くなっています。

親子面接

親子面接では、親子同時に面接を受けるケースと、親だけが別室で面接を受けるケースがあります。どちらも数分程度で終わる場合が多いですが、しっかりと話を聞きたいと考える学校の場合は15~30分程度の時間を要する場合もあるようです。

面接でよく聞かれる質問【子ども編】

教室で勉強する女の子

個人面接やグループ面接など、子どもを対象とした面接でよく聞かれる4つの質問は次のとおりです。

  • 入学試験の感想
  • 志望理由
  • 長所と短所
  • 入学してからどうしたいのか

模範解答についても解説していますので、面接がある学校を受験する際には対策しておきましょう。

試験の感想

質問に対する答えの内容を重視したいわけではないため、以下の回答例のように、正直に答えて問題はありません。

  • 国語の漢字問題があまりできませんでした。
  • 算数の図形問題が難しかったです。

曖昧な回答だとコミュニケーションが苦手だと捉えられる可能性があるため、具体的にハキハキと答えることがポイントです。

志望理由

どのような考えで志望したのか確かめるための質問なので、次のように回答するとよいでしょう。

  • 御校のHPに書かれている〇〇という考え方に共感し志望しました。
  • 県大会で優勝したほどの実績があるサッカー部に入部し、自分が小学校で続けてきたサッカーの経験を活かしたいと思い志望しました。

どの学校にも当てはまりそうな回答ではなく、校風や教育方針などを理解したうえで回答しましょう。

長所と短所

長所や短所を伝えるときには、以下の回答例のようにエピソードを加えて簡潔に話すことを意識しましょう。

  • 長所は運動が得意なところです。小学校の運動会では、クラス対抗リレーに選抜され、優勝に貢献できました。
  • 短所は人の意見に左右されやすいところです。しかし、それではいけないと考え、自分がやりたいことをしっかり考えるようにしています

とくに短所の場合は、ただ苦手なことを話すだけでなく、克服しようと努力する姿勢を示すことが大切になります。

入学してからどうしたいのか

以下の回答例のように、入学後にどのような学校生活を送りたいのか、しっかりと考えていることで入学の意欲を伝えられます。

  • 入学後は得意な数学に力を入れ、学年トップの成績を目指したいです。
  • 経験がなかった吹奏楽部に入り、コンクールで賞をとりたいです。

具体的な目標などを話して、面接官に意欲を伝えましょう。

面接でよく聞かれる質問【親子編】

後ろから見下ろす教室

親子面接でよく聞かれる質問として次の4つがあります。

  • 養育方針や子どもとの関わり方について
  • 本校への受験は誰が決めましたか?
  • 通学の経路や所要時間
  • 親子でどのような会話をしていますか?

面接本番で落ち着いて対応するために、あらかじめ回答を考えておきましょう。

教育方針や子どもとの関わり方について

学校側は子どもの人間性を見極めるために、親がどのように子どもを教育してきたのかを知っておきたいと考えます。以下の回答例のように、日頃から心掛けていることを答えましょう。

  • 息子(娘)を誰よりも大切に思っているのは親ですから、愛情をもって育てることを何より第一に考えています。
  • どんなに忙しくても、毎日かならず親子で会話をする時間を設け、その日の出来事を子どもから聞いています。

事前に資料で聞かれる場合もあるため、回答に矛盾が生じないようしっかりと確認しておくと安心です。

本校への受験は誰が決めましたか

本人の意思で選んだのか、保護者が決めたものなのか、家族で話し合って決めたのかを確認するための質問なので、次のように回答しましょう。

  • 息子(娘)が自分で決めました。御校は自宅から近くにあるため、幼少期から生徒さんたちが通学する様子を目にしていたため、息子(娘)にとって親しみのある学校であると考え、親として賛成しました。
  • 長男が御校に通学しており、その姿を見て自分からこの学校に入りたいと申し出たため、応援しようと思いました。

子どもが選んだ場合は子どもの自主性を、保護者が選んだ場合は、家族の仲のよさをアピールします。

通学の経路や所要時間

以下の回答例のように、学校までの経路や所要時間など、具体的に順序立てて説明しましょう。

  • 自宅から最寄りの〇〇駅まで徒歩〇分、〇〇線に乗り〇〇駅で下車し、御校まで徒歩〇分です。自宅からの所要時間は〇〇分です。

子どもの通学経路を把握していることで、子どものことを気にかけているか、公共機関を使っての通学に不安はないかなどが判断されます。

親子でどのような会話をしていますか?

子どもとよくする会話の内容について、次の回答例のように気取らずに普段の様子を面接官に伝えましょう。

  • スポーツや音楽など子どもが興味のある分野についてよく話をします。
  • 夕食時に、学校での出来事や、両親の仕事に関する会話をしています。

日頃からどのくらい親子のコミュニケーションが取れているか、子どもが興味のあることや他愛もない会話をできているかにより、親子の関係性を築けているか確かめられています。

親子面接でチェックされるポイント

射的で的を射抜く

親子面接では、質問の受け答えだけでなく次のようなポイントについてチェックされる場合があります。

  • 服装や身だしなみ
  • 言葉遣いやマナー
  • 入退室の所作

減点材料にされないために、事前にシミュレーションしておきましょう。

服装や身だしなみ

子どもがきっちりとした服装で面接に臨んでいるにもかかわらず、親がだらしない格好では面接官の印象を悪くする可能性があります。子どもだけでなく、親も清潔感があり落ち着いた印象を与えられるように身だしなみを整えましょう。

服装は、黒や紺やグレーなどダークカラーのスーツを用意しておくと、面接以外のきちんとした場面で使えるので重宝します。腕時計やアクセサリーは派手なものは避けるようにし、真面目な雰囲気を意識するのがポイントです。

言葉遣いやマナー

話の内容はもちろん言葉遣いも面接官が評価しているポイントです。「ヤバい」「っていうか」など、くだけた言葉をうっかり使わないように意識しておきましょう。

どんなに言葉遣いが完璧でも、元気のない話し方では「やる気がない」と判断される可能性があるため、質問にはハキハキと聞き取りやすい声で答えることが大切です。

また、お辞儀をはじめとしたマナーも、自然にできるよう親子で繰り返し練習を重ねておくと、本番でも自信を持って臨むことができます。

入退室の所作

面接において入退室の所作は、注目されやすいポイントのひとつ。面接を受ける側が全員同じことをするため、できていないと悪い意味で印象に残ってしまう可能性があります。

  • 入室時には「失礼します」のひと言を添えてお辞儀をする
  • 「お掛けください」といわれるまで椅子の左側に立ち、座るときには「失礼します」とひと言添える

本場でもスムーズに動けるように練習を重ねておくことで、礼儀正しく好印象を与えることが可能です。

面接対策に関しては、当ブログの「中学受験の面接官がチェックする4つのポイントを解説【面接対策】」という記事に詳しく載っていますので、そちらも参照してください。

中学受験で親子面接は行われるのか?

古びた金属のはてな

中学受験では、小学校や幼稚園の受験とは異なり、親のみに対して面接が実施されることはほぼありません。その代わり、子どもと一緒に親子面接という形で親も面接が実施されるケースは珍しくないため、中学受験の対策として、親も面接の対策をしておくことが大切です。

ただし、親子面接が実施される場合でも、5〜10分程度と短時間で終わるため、事前にしっかりと対策をたてておきましょう。

万全を期するためにもあらかじめ親子面接対策をしておこう

面接は、当事者であるお子さんが一番緊張しているはずです。必要以上の緊張を感じないためにも、子どもがリラックスできるよう親子で面接対策を繰り返し行い、中学受験を成功させましょう。

また、当日の所作や言動、服装などは細かくチェックされます。第一印象で相手に不快感を与えない清潔感のある服装とマナーの良い言動を心がけましょう。

面接時の服装の詳細については、以下のブログで細かく解説しています。当日持っておくと便利なアイテムなども合わせて紹介していますので、ぜひご覧ください。