「中学受験、みんなどれくらい勉強時間取ってるの!?」と、親御さんなら誰しも気になる疑問や不安を、今回は解決していきます。
近年では中学受験を受け付ける学校も増えており、早い段階から中学受験を目指す家庭も多いようです。一般的には「難関校を受験するなら、6年生は週末6時間以上の勉強時間が必要」と言われています。しかし、勉強は「量より質」。ただ時間をかければいいものではありません!
そこで今回は、実際に志望校に合格した方々の生の声をもとに、中学受験の平均的な勉強時間と受験勉強の効率を上げる5つのポイントについて詳しく解説します。最後まで読めば、時間を有効活用しながら、伸び伸びと勉強をするイメージがきっと浮かびます。
中学受験の勉強時間はどれくらい?
中学受験で志望校に合格するためには、しっかりと勉強時間を確保しておきたいところです。小学校では「学年×10分間」が最適だといわれていますが、これは通常の勉強時間であって、中学受験をするならもう少し勉強時間を確保したほうがよいでしょう。
どのくらいの勉強時間がベストなのか、平均的な勉強時間と実際に志望校に合格したお子さまの勉強時間について解説します。
小学4年生の勉強時間
小学4年生は、中学受験に向けて勉強をスタートする時期です。学校や習いごと、友だちと過ごす時間、テレビなどいつもの生活の中に勉強時間を作らなければなりません。
そのため、小学校でいわれている「学年×10分間」より若干多いくらいの時間で勉強していたお子さまが多いようです。難関校や中堅校を合格したお子さまの平均的な勉強時間は下記のとおりです。
レベル | 平日 | 週末 |
難関校 | 1~2時間 | 2~3時間 |
中堅校 | 1~2時間 | 1~2時間 |
小学5年生の勉強時間
小学5年生になると通塾するお子さまも増えるため、家での勉強時間は少なくなる傾向が見られます。週末の勉強時間の平均は2~4時間が平均ですが、3~4時間のお子さまもいれば2時間程度のお子さまもいるなど個人差があります。
レベル | 平日 | 週末 |
難関校 | 1時間以下 | 2~4時間 |
中堅校 | 1時間以下 | 2~4時間 |
また、5年生からは、夏休みなど長期休暇期間中に実施される塾の夏期講習に参加するお子さまも多いようです。6年生になるとさらなる勉強時間が必要になります。
もし、基礎学力が不足していると感じるなら、塾や習いごとをしていない日の勉強時間は学習内容を見直してみるなどサポートしてあげましょう。
小学6年生の勉強時間
小学6年生になると受験勉強も本格的になるため、通塾しているお子さまは塾からの課題も増えて家庭での勉強時間が5年生のころよりもぐっと増えます。週末はほぼ勉強時間となるため、健康面でも親御さんのサポートが必要です。
レベル | 平日 | 週末 |
難関校 | 2~3時間 | 6時間以上 |
中堅校 | 1~2時間 | 6時間以上 |
知っておきたい中学受験への取り組みの姿勢&考え方
中学受験をするなら、お子さまはもちろん、親御さんも受験をする意識をもつことが大切です。中学受験は皆がやるものではなく、学校の宿題とは別で勉強時間を確保しなければなりません。そのため、「中学受験をするんだ」という強い意識をもっていないと、挫折もしやすくなります。
中学受験は必ずお子さまを含めて家族で相談して決めるのがおすすめです。お子さま自身が納得すれば、受験勉強にも真剣に取り組んでくれます。塾に通わせるにしても塾に任せっきりにするのではなく、親御さんが学習内容をこまめにチェックして、お子さまの苦手分野をサポートするなど親子で取り組むことが大切です。
まだ10~12歳で中学受験を決断するのは難しいですし、お子さまひとりで受験勉強へのモチベーションを維持することはできません。親御さんが主体となり、合格までサポートしましょう。
中学受験対策で大切なのは基礎学力
中学受験では勉強時間の確保も大切ですが、まずは基礎学力をつけることが大切です。中学受験生向けの学習教材は学校の問題よりも難易度が高く、基礎学力がついていないと解説を見ても理解するのに時間がかかるため、勉強時間が長くなってしまいます。
ひとつの問題を解くのに時間をかけてしまうと、やる気を継続させることができません。基礎学力が備わっていれば短い勉強時間で解くことができるため、同じ勉強時間でもたくさんの問題を解くことができます。
勉強時間はあくまでも目安。最も重要なのは学習量と学習の質です。中学受験の勉強を気持ちよく進めるため、本格的に取り組む前に基礎学力をつけておきましょう。基礎学力は毎日のトレーニングで鍛えることが可能です。
受験勉強の効率を上げる5つの方法
中学受験は勉強時間を長くとるよりも、いかに効率を上げて取り組めるかがポイントです。受験勉強の効率を上げる5つの方法について解説します。勉強に対するモチベーション維持にも役立ちますので参考にしてください。
1.タブレットやスマホを活用する
机に向かってひたすら問題を解いてばかりだと飽きてしまうお子さまには、タブレットやスマホを活用してみましょう。学習内容の解説動画や学習アプリなど、受験勉強に役立つコンテンツが豊富です。
視覚的にも紙のテキストと大きく異なるため、気分転換にもつながるでしょう。また、動画は音声を耳で聞きながら学習できるため、記憶にも残りやすいメリットがあります。アプリはゲーム的要素もあるので、ゲームが好きなお子さまも楽しみながら勉強できるでしょう。
また、スマホやタブレットなら外出先でも気軽に勉強できます。すき間時間を活用して勉強できるので便利です。計算アプリや漢字アプリ、地名などラインナップも豊富です。普段使っている教材や塾の授業のサポートとして使用してみるのもよいでしょう。お子さまに合ったものを選んでみてください。
2.遊びや趣味の時間も持つ
中学受験で志望校に合格するためには、習いごとを辞めたり遊びや趣味の時間を削ったりしなければならないと思いがちです。6年生になると週末の勉強時間も長くなります。中学受験において勉強時間は大切ですが、勉強ばかりでは「こんな思いをしてまで勉強したくない」と意欲の低下につながります。
お子さまによっては習いごとが勉強を頑張る糧となることもあるため、必ずしも辞めさせる必要はありません。4年生や5年生のうちは家族旅行も近場であれば、よい気分転換になります。
とくにひとりでも頑張るお子さまの場合、勉強疲れに気が付かないこともあるので親御さんのサポートが必要です。中学受験に必要な勉強時間を確保できる程度に、友だちと遊んだり、趣味を楽しんだりできる時間を作ってあげましょう。
3.基礎学力
中学受験は、小学1~3年生まで学習内容をしっかり習得して基礎学力を身につけておきましょう。「読み」「書き」「計算」の基礎学力のあるお子さまは、短い時間でもしっかり勉強できます。もし塾に通うことになっても、基礎学力が低いと塾の課題を解くのに時間がかかります。
もしお子さまの基礎学力が足りないかもと思ったら、不足している分野を調べてサポートしましょう。算数が苦手なお子さまには、計算能力の基礎をかためるために、計算問題のドリルやプリントを毎朝解かせます。毎朝、10分間でもいいので継続することが大切です。漢字の書き取りや音読も効果があります。
これは苦手分野においても同じことがいえます。お子さま自身に任せていると苦手分野は遠ざけてしまうこともあるので、親御さんがときどきチェックしてサポートしてあげてください。
4.勉強時間を決める
受験勉強は長い時間やれば学力が伸びるとは限りません。小学6年生になると週末6時間以上の勉強が望ましいとされていますが、やみくもに6時間以上勉強しても効果は得られません。効率を上げるなら、平日・週末ともに勉強時間をしっかりと決めて、その時間を意識して取り組むことが大切です。
毎日、1科目ごとにスケジュールを立てることで時間をうまく使えるようになります。人間の集中力には限界があり、小学校高学年では15分といわれています。勉強時間中は適度に休憩もはさみましょう。
25分の勉強と5分の休憩をくりかえす「ポモドーロ法」も、勉強の効率を上げるのに適しているといわれています。25分経過するとお知らせしてくれるアプリもあるため、お子さま自身でも取り入れやすい方法です。
5.朝の時間帯に勉強する
夕方から夜に勉強時間を確保しているけど、なかなか成績が上がらないと悩んでいるなら、朝の時間帯に変更してみましょう。
朝は脳が一番よく働く時間帯といわれています。朝は睡眠をとった後なので、脳がリフレッシュした状態です。勉強学校や習いごと、塾から帰宅してヘトヘトに疲れた就寝前の1~2時間勉強するより、朝のほうが勉強に向いています。
起床したら、お子さまと一緒にラジオ体操をしてみましょう。ストレッチなど軽く身体を動かすことで脳の働きが活発になります。親子のコミュニケーションにもつながるのでおすすめです。勉強に取り組む前には、しっかりと朝食を食べさせてください。
朝の勉強に適している科目は数学や理科がよいでしょう。脳が活性化しているので応用問題に挑戦するのもおすすめです。朝の勉強時間で効率を上げるには、しっかりと睡眠をとることが大切。夜の勉強は控えめにして、夜更かしをさせないようにしてください。
中学受験は勉強時間と同じくらい休憩時間も大切
子どもが「勉強に行き詰まったかな」と感じられるような時は、適度なリフレッシュ時間や休憩をとってあげるのがよいでしょう。
長時間の勉強時間は、メンタル面はもちろんですが体力も必要です。ときどき一緒に身体を動かしたり、外の空気を吸ったりして、適度なコミュニケーションをとりながら中学受験成功までサポートしてあげてください。
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