現在は51の国立の高等専門学校のほか、数は少ないものの公立や私立の高専があります。科学・技術の進歩に貢献・対応できる技術者になるというのは、誰しも1度は憧れるものです。憧れで終わらせず、本格的に目指すことを決めた皆さんは、日本の未来を担っていく社会人にとっての希望です。
とはいっても、受験対策、特に推薦入試対策となると、特殊な制度もあったりして「出願条件や試験科目がよくわからない」「出願手続きが複雑でわからない」と悩みますよね。
当ブログではそのようなお声を多くいただいているので、今回は高専受験の推薦入試を受ける方に向けて、条件や試験科目、推薦入試の注意点について解説します。お問合せにて、この記事に書かれてあるノウハウを受けたお客様は、皆さん安心したお声に変わっていらっしゃいます。ぜひ最後までご覧ください。
高専受験に向けて知っておきたいこと
高専受験を検討しているなら、高専入試の特徴を押さえておきましょう。国立高専の入学試験では、全国共通の問題が出題されるほか、理数系の難易度の高さや傾斜配点が挙げられます。
傾斜配点と難易度が高く設定された数学と理科
傾斜配点とは、関連の深い特定の科目の評定を重視して、教科間の配点に差をつけることです。 たとえば高専では「数学」「理科」「英語」に傾斜配点が適応され、獲得点数を1.5〜2倍に換算します。
調査書(内申書)においても傾斜配点が適用されるほか、入試問題では数学と理科の難易度が高い傾向にあることも知っておきましょう。国立高等専門学校機構の公式サイトでは、入試過去問が公開されているので、一度解いてみるのがおすすめです。
傾斜配点は、推薦選抜や学力選抜を問わず実施されますが、適用される倍率については各校の入試情報をチェックしてください。
傾斜配点を採用している理由は「理数系科目に強い生徒」「論文を読解できる英語力を持つ生徒」が合格しやすくするための施策です。
3種類ある選抜方式
高専の選抜方式は下記の3種類です。
- 推薦による選抜(以降は推薦選抜)
- 学力検査による選抜(以降は学力選抜)
- 帰国生特別選抜
国立高専の学力検査による選抜試験では、解答はマークシート方式を採用しています。
当記事でご紹介する推薦選抜は、学力選抜や帰国生特別選抜に先駆けて、毎年1月の中旬頃に実施されることが多いです。学校によって多少の違いはあるものの、全体の募集人員に占める推薦選抜の募集人員の割合は各学科の半分程度となります。
学校によっては、入学志願者状況と倍率が公式サイトに掲載されていることもあるので、志望校の公式サイトを一度チェックすると良いでしょう。
推薦選抜へ出願する前提条件2つ
それでは、推薦選抜の出願に必要な条件について解説します。
出願資格の基準よりも高い評定であること
高専の推薦選抜を受験する条件を確認するには、年度ごとに発行される「最新の学生募集要項」に記載された出願資格や選抜の実施方法を確認します。
出願資格の基準よりも高い評定を取得することが出願の前提条件です。希望すれば誰でも受験できる学力選抜とは、この点が大きく異なります。
「学業成績が全体の上位20%内」「3年間を通じて5教科の5段階評価合計が63以上(平均4.2以上)」などと明記されているので、チェックしてみてください。
また志望学科に対する適性・興味・関心は、学校側の重要な関心事です。あとで紹介する面接でも、これらをチェックされることを知っておきましょう。
調査書が合否に大きく影響する
推薦枠で高専受験を目指すには、調査書の内容がすぐれていることが、そもそもの前提条件です。
調査書は、それぞれの学生の成績や学校生活をまとめたもので、推薦選抜では重視されています。すでにお伝えした傾斜配点は、この調査書に記載された成績(内申点)にも適用されています。
生徒会活動・部活動・社会貢献活動などの課外活動の実績も重視されるので、高専への入学を希望する方はなるべく実績が積めるような活動を行いましょう。
ですが、必ずしも上記のような活動に参加することが実績になるわけではありません。活動に参加しても、熱意がなくただ参加している状態では意味がありませんので、やるからには、何か達成したいことをイメージして、主体的に取り組みましょう。
高専受験において「試験まで時間が無い」「志望校の傾向に合った対策をしたい」「塾に通わず自宅学習で合格を目指したい」というお客様のお声から、「志望校別・高専受験合格レベル問題集」が作られました。願書・面接対策ワークもオプションで付けられ、人物試験に自信がないと、8割のお客様がご活用くださっています。最頻出問題を押さえた問題集と音声解説のセットなど充実のコンテンツで93.5%のお客様から、満足のお声を頂いております。ぜひご活用ください。
推薦選抜における5つの注意点
「前提条件をクリアすれば楽勝!」という受験生の皆さん、ストップです。条件は分かっても、対策を進める中で、知らず知らずのうちにやってしまう失敗はよくあるものです。ここでは、推薦選抜の注意点を解説しますので、今一度、推薦選抜について理解を深めましょう。
出願手続き、本当に済んだ?
近年では、出願にインターネットを使う学校が増えています。その場合、パソコン・スマートフォン・タブレット端末を利用して出願手続きを行いますが、手続きはインターネットだけでは完了しないことも。中には、インターネットで申請した後、簡易書留で期限までに出願書類を郵送する必要がある学校もあります。この一連の出願手続きが完了していないと高専受験に臨めないので、慎重に手続きを進めましょう。
専願で合格したら入学確約書を提出する
推薦選抜の出願条件に「在籍する学校長が責任をもって推薦できる人」「合格した場合には入学を確約できる人」といった条件があれば専願になります。専願では他の志望校との併願は基本的に不可ですので、注意が必要です。
なお推薦選抜に出願する際には中学校校長の推薦書が必須ですが、時間的に余裕をもって依頼する必要があります。
調査書の内申点や出席日数が条件を満たしていれば、担任の先生から校長先生に推薦書を書いてもらう流れが一般的です。
学校によって推薦選抜の実施方法は異なる
高専受験の推薦選抜では面接が実施され、推薦書および調査書が必要な点は、いずれの学校でも共通です。
中学校で学んだ数学・理科・技術の理解度をみる「口頭試問」が行われる学校もあるので、募集要項をチェックしてみてください。
ほかにも適性検査(数学)、600字程度の作文課題、自己推薦書の提出が求められたりするケースなど様々です。
推薦選抜でも落とされるケースがある
学校長の推薦書を書いてもらえるのは、高専の出願資格をみたす学業成績が優秀な生徒です。しかし、いくら優秀でも、受験倍率や面接の採点で落とされる可能性があります。出願した高専受験生すべてに、推薦選抜で合格内定がでるとは限りません。
ただし一般で学力考査を受ければ復活の可能性があります。学生募集要項の「推薦選抜で不合格となった場合の取扱い」をチェックしてみてください。推薦選抜の結果、合格内定がもらえなくても、学力選抜を自動的に受験できる場合があるからです。
万が一、不合格になることを不安に思う受験生の皆さん、大丈夫です。学力選抜の場合は面接はありませんので、リラックスした気持ちで学力考査に臨みましょう。もともと学校長から推薦書を書いてもらえたくらい他の受験生よりも優秀なので、十分合格のチャンスがあります。
当ブログでは、志望校の試験の出題傾向が分かり、志望校に特化した対策が行える「学校別・合格レベル問題集」を取り扱っており、93.5%の方に満足頂いているので、ぜひご活用ください。
十分な面接対策が必要
推薦選抜に出願する高専受験生は、面接および口頭試問に備えてリサーチと回答を事前に準備しておくことが重要です。
どんなに調査書の内容が優れていても、あきらかな準備不足で面接や口頭試問で回答できないと落とされます。
次の3つの注意点を意識すれば、効率よく対策できますので、念入りなリサーチと回答準備をしてください。
- 志望校の入学者受入方針(アドミッションポリシー)を把握・暗記する
- 他の学生と差別化をはかる目的で、明確な志望動機を準備する
- 入学を希望する学科に興味をもち、知識を増やしておく
アドミッションポリシーは、面接時に聞かれやすい質問の回答を用意する際に役立ちます。
実際の面接では、事前に暗記したアドミッションポリシーに則って落ち着いて回答しましょう。アドミッションポリシーとあなたの理念が一致しているような回答をして、面接官から「当校が求める学生のイメージにぴったりだ」と思ってもらいましょう。
口頭試問では、専門的・応用的な内容を質問されて回答できないこともあるでしょう。回答できないときは「沈黙する」と減点されてしまいます。
どうしても回答が難しいときには、正直に「勉強不足で回答できません」と伝えましょう。その上で「これからしっかり勉強します」と一言添えておけば、印象が悪くなることはありません。
推薦を受ける高専受験生は面接対策も忘れずに
今回は、高専受験生向けに推薦入試の条件や注意点について解説しました。高専の推薦入試では、調査書や面接の内容が合否を大きく左右します。一世一代の受験、後悔の無いように、十分な準備を行いましょう。
また、以下の記事には、面接についてより詳しく、乗り切るポイントと、よく聞かれる質問を10個厳選して載せています。この記事1つで面接対策の要点を網羅できるので、要チェックです。