高専の面接では何を聞かれる?質問の傾向をおさえて対策をしよう

高専の面接対策 頻出質問10選!

↓ 本記事の内容をざっくり5分で解説しています ↓

高専は、高度な技術者を養成するために専門分野の技術を学べる高等教育機関です。5年間の一貫教育が特徴で、幅広い知識を身につけられます。高専の入試で実施される面接試験は、公立高校の受験とは異なる形式で行われ、質問の内容も変わります。

今回は、高専の受験をお考えの方に向けて、高専の面接でよく聞かれる質問の傾向や口頭試問を乗り切るコツについて解説します。

高専の面接試験は対策が必要

黒板に条件をリストアップ

高専は、高校受験と同じように調査書や学力検査(筆記試験)、面接試験の結果をもとに合否が決まります。高専ごとに選抜方法は異なり、特に面接試験は各校の教員によって質問内容が変わるため、対策方法も一律ではありません。しかし、合格するには面接試験の対策は必須です。本項では、高専の面接試験について解説します。

高専とはどのような学校か

高専は高度な技術者を育成するために設立された高等教育機関です。5年間の本科で専門分野と基礎科目となる一般教育を受けた後、就職または進学の進路を選ぶことができます。

知識や技術だけではなく、人間形成として必要な教育も受けられることから高専卒業生を求める企業は多く、求人倍率は毎年10〜20倍と多くの求人が寄せられています。就職率も100%と高いため、専門職や技術職として活躍したい学生にとって魅力のある学校です。

基礎学力をはかる口頭試問がある

高専の面接試験の特徴としては「口頭試問」が挙げられます。口頭試問は、入学者の受け入れ方針との適合性などを評価するために行われます。口頭試問では基礎学力をはかるため、面接官より志望学科に関連する科目の問題が口頭で出題されます。このため、理路整然と口頭で回答を述べる力が必要です。

高専の面接試験は「個人面接」と「集団面接」が基本です。私立高専の中には、保護者同伴の「親子面接」が実施されるところもあります。出願の際は、募集要項に記載されている選抜方法を確認しましょう。

高専生の卒業後の進路・就職に関しては、当ブログの「高専生の卒業後の進路・就職は?将来から逆算して高専を選ぼう」という記事に詳しく載っていますので、そちらも参照してください。

【受験専門サクセス】

<高専受験 合格体験談>

東京都 Y・Mさん
志望校テストを自宅や自習時間に取り組み、12回分解くうちに合格圏になり合格!

サクセスの学校別問題集に助けられて、あこがれの志望校に合格できました、ありがとうございました!

高専を受けようと思ったのは、文化祭に行ったときに、みんなやりたいことに全力で取り組んでいて雰囲気がいいなと思ったからです。学校では高校受験に力が入っていたので、高専の勉強で悩んでいたときに、受験専門サクセスを見つけました。

問題集は、まず目標点を決めてから始めて、自宅と、学校の自習時間に取り組みました。テスト1回分を取り組んだ時は点数が良くなかったですが、解くうちに点数が上がり、12回分を終える頃には合格圏になっていました。

高専の面接で口頭試問をのりきるコツ

飛び立つ宇宙船

高専の面接試験の特徴でもある「口頭試問」については、どのような方法で対策をすればよいのか、リサーチをしても情報が見つからずに困っている方もいるでしょう。

口頭試問は高専の教員が作成するため、同じ国立高専でも同じ質問がされることはありません。では具体的にどのような対策をとればよいのか口頭試問をのりきるコツについて解説します。

口頭試問で出題された問題を探す

入試対策としては、過去問題をくり返し解くという方法があります。例えば、福島工業高等専門学校の公式ホームページでは、入試情報のページで過去の「推薦による選抜」で出題された口頭試問の確認が可能です。学科ごとの質問事項がPDFで確認できますが、回答例はありません。

基礎学力をはかる質問では、説明用紙に記載されている内容をもとに、用意されているメモ用紙や鉛筆を用いて回答することになっています。しかし、出題内容は高専ごとに異なるため、同じ質問が出題されるわけではありません。あくまでも参考として確認してください。

志望学科に関する知識をつける

面接試験は、志望学科に深く関連する質問が出されます。福島工業高等専門学校のビジネスコミュニケーション学科の口頭試問では、過去に「徴用工訴訟問題」や「GSOMIA」について出題されました。高専は理数系科目の基礎学力が重視されますが、志望学科によっては社会情勢への関心レベルも確認されます。

また、アドミッションポリシーで「外国語によるコミュニケーション能力を高めて、グローバルに活躍したい人」とあることから、口頭試問でも英語に関する質問が出されています。口頭試問の対策で過去問を探せないときは、アドミッションポリシーをもとに関連する知識を身につけておきましょう。

高専の面接試験でよく聞かれる質問

答えが書かれた看板

本項では、高専の面接試験でよく聞かれる質問をまとめました。口頭試問以外の質問にスムーズに答えたい方はもちろん、大学編入学を希望する方や将来の就活時にも役立ちます。ぜひ参考にしてみてください。

【質問1】志望理由を教えてください

面接シートなどに記載した内容を確認するための質問です。書かれている内容をもとに面接を行うため、面接官が「もっとくわしく聞いてみたい」と興味を持ってくれるように書くのがコツです。部活動や委員会など中学校生活の経験から、この高専を選んだ理由まで結びつける理由を書きます。

シートは文字数に制限があるため、面接で聞かれたら詳しく答えようと思う内容を簡潔に書いておくのも一つの方法です。ただし、簡素になりすぎないように注意してください。面接練習で使用するために、記入したエントリーシートはコピーをとっておくことをおすすめします。

【質問2】理科や数学で好きな単元はありますか?

志望する学科に関連する単元を具体的に伝えましょう。高専は専門分野について学ぶため、単純に「理科全般が好きです」という回答では面接官に伝わりません。志望学科で学ぶ分野につながる単元を挙げることで、学科への関心や入学後に活躍するイメージを与えることができます。

高専は理数系が得意でなければ入学後に苦労するのではというイメージを抱いている方もいるでしょう。確かに中学校よりもハイレベルな授業になりますが、教員や先輩から学べる機会を設けている高専もあるので、努力次第でクリアすることが可能です。

【質問3】高専に入学したらやりたいことはありますか?

「プログラミングを学べるから」「ロボットを作りたいから」といった回答では、高専でなくても学ぶことは可能です。プログラミング言語にもさまざまな種類があります。志望学科で学べる分野に自分のやりたいことを絡めて伝えられるように練習しましょう。

将来の夢を叶えるための通過点として高専で学びたい、その分野に関することを学べるのが高専である場合、具体的な「やりたいこと」が出てきやすくなります。

志望学科で学べる具体的な内容、自分のやりたい事を絡めて伝えよう!

【質問4】アドミッションポリシーを知っていますか?

アドミッションポリシーとは高専が求める理想の学生像のことです。各高専の公式ホームページに掲載されており、学科ごとにアドミッションポリシーを掲げている高専もあります。

アドミッションポリシーを理解していて、かつ自分に当てはまるものがある場合、求めている学生であることを面接官にしっかりアピールできるとよいでしょう。該当しない場合でも、入学後に求める学生像に近づけるよう努力することをしっかり伝えてください。

【質問5】高専で作りたいものを教えてください

高専は、日本のものづくりを支えるための各専門分野に特化した技術や知識を学びます。高度な技術や知識を身につけていく過程で、作りたいものについて素直に答えましょう。しかし、単純に「ロボットが作りたいです。」という回答では面接官にアピールできません。

電子工学科で学んだ技術と知識を活用して、ロボットを作りたいと考えています。将来は医療・介護業界で役立つロボットを製作して、ロボット開発技術者として活躍したいです。

学べる技術や知識を活用して、将来の夢にまでつながっている回答例です。学習意欲を感じられるため、よい印象を与えることができるでしょう。

【質問6】中学校生活で頑張ったことはありますか?

過去の経験を聞いて、学生の人間性を把握するための質問です。中学校生活において何を頑張ってきたのか、「勉強」「部活」「委員会」など中学校時代の具体的なエピソードをもとに答えましょう。

面接官が知りたいのは、「頑張って乗り越えた過程」です。それがわかるものであれば勉強や部活、委員会に限りません。何をどう頑張って乗り越えたのか、工夫や学びについて自分自身の言葉で表現してください。

【質問7】なぜ高専を選んだのですか

よく聞かれる質問です。普通高校や工業高校ではなく、なぜ高専を選んだのか面接官は気になっています。

高専は、高度な技術を学べる環境が整っているためです。また、ロボットコンテストにも関心があり、公立高校ではできないさまざまな体験ができることから高専を選びました。

似たような質問で「公立高校から大学進学ではだめなのか」と聞かれることもあります。「高専にしかない」特徴や明確な志望動機を伝えることがポイントです。

高専にしかない特徴、明確な志望動機を伝えることがポイント!

【質問8】なぜこの学科を選びましたか

高専ごとに設置されている学科は異なります。遠方の高専を受験する場合、「なぜうちの学科を志望したんだろう」と面接官は気になっています。将来就きたい職種に関する分野を学べる場合、関心を持った理由から伝えられると、面接官によい印象を与えられるでしょう。

入学後、どのようなことを学べるのかは各高専の公式ホームページに掲載されています。学科の特色や教育課程などを確認して関心を深めておきましょう。

【質問9】今日はどうやってここまできましたか?

自宅から面接試験会場までの経路を答えます。丁寧語よりも謙譲語を意識して使うことで、面接官が受ける印象は変わってきます。

母の自家用車でまいりました。 友人とバスを利用してまいりました。

短距離なら、このような回答方法になりますが、複数の交通機関を乗り継いできた場合は、すべて伝えなくても大丈夫です。ただし「電車できました」というのは簡潔すぎるため、以下のように回答するとよいでしょう。

自宅から徒歩で○○駅へ向かい、△△線で□□駅で降りたあとは徒歩でまいりました。

【質問10】将来の夢は決まっていますか?

「機械工学科」を志望しているのに、将来の夢が「スーパーコンピューターのソフトウェア開発」では筋が通っていません。高専の授業レベルはとても高いため、将来の目標が勉強を頑張るモチベーションにもなります。

中学卒業の段階で将来の夢が具体的に決まっている人もいますが、まだ決まっていなくてもおおまかな分野を伝えられれば大丈夫です。高専という専門分野に特化した環境で学ぶことを決めて入試に挑んでいるので、自信をもって伝えましょう。

学んでいくうちに将来の具体的な目標を見つけられる!

高専の面接試験前に備えておいてほしいこと

学校で使用する文房具セット

高専の面接試験に自信をもって挑みたい方に向けて、面接試験までに備えてほしいことについて解説します。

基本の面接マナーは身につけておく

高専に限らず、高校入試や大学入試、就職活動において面接試験は必須です。早い段階で基本的な面接マナーを身につけておくことは大きなメリットになります。面接室への入室から退室までの流れをまとめてみました。

  1. ドアは2〜3回ノックします。声をかけられてからドアを開けます。
  2. 大きな声で「失礼します」といって入室してドアを閉めます。
  3. お辞儀をして「受験番号」「学校名」「氏名」を名乗ります。
  4. 「お座りください」といわれたら「失礼します」といって浅めに腰かけます。
  5. 姿勢を正して、口角をあげた表情を意識して質問に答えます。
  6. 面接が終わったら、お礼を述べて一礼をして退室します。
  7. ドア前で面接官に向かって一礼して、ドアをゆっくり閉めてください。

「将来の夢」をより明確にしておく

高専には5年一貫教育という、公立高校とは異なる特色があります。そのため、専門分野について5年間学び続ける強い意志と努力が必要です。

公立高校ならば3年間ゆっくり将来を考えるゆとりがありますが、高専は5年生修了後に就職または進学の進路選択があります。また学習内容もかなりハイレベルになるため、留年や中退をする人も少なくはありません。

しかし、「将来の夢」が定まっていれば、その夢を叶えるために努力することができます。中学生の段階で明確な将来像を描けていなくても大丈夫ですが、面接試験に備えてより明確な将来像を立てておくことをおすすめします。

高専の偏差値に関しては、当ブログの「高専の気になる偏差値を調査!倍率と合わせて学校選びをしよう」という記事に詳しく載っていますので、そちらも参照してください。

高専は面接対策以外に学力検査対策も必須

高専の面接試験は、志望理由や人間性以外にも、口頭試問による基礎学力の確認があります。筆記試験がないからといって、面接試験の練習ばかりせず、しっかりと勉強しておくことが大切です。

受験専門サクセスでは全国の高専別の対策問題集を扱っています。入学後も活躍できる知識を身につけられるため、面接練習とあわせてぜひ取り組んでみてください。


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