国立中学受験は塾なしで可能?小学生にやるべき受験対策を解説

塾なしで中学受験 おすすめ志望校別問題集

「中学受験対策は塾に通うべき?」「費用はどれくらいかかるの?」

ここ数年、読者のみなさまからいただくようになったお悩みの声には、このような質問が数多くみられるようになりました。その理由としては、「将来、大学へスムーズに進学するための高度な教育を身に付けさせたい」というのが大半です。

中学受験を目指すためには学力アップは必須。そのため「子どもを塾に通わせなければ!」と考える方も多いことでしょう。しかし、実際塾はそこそこ費用がかかったり、費用を払ったからには必ず塾に通わせなければならない、というプレッシャーを子どもにも与えてしまったり、そのような事態は防ぎたいですよね。

そこで、この記事では「国立中学校受験で塾を利用した場合の費用」と、「塾なしでもできる受験対策」について詳しく解説します。

具体的な目安の費用や、おすすめの受験対策問題集なども紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。

国立中学に塾なしで合格するのは難しい

自宅で自己学習

一般的に、中学受験をする小学生は塾に通うことが多いです。中学受験のための学習塾では、志望校に合格するためのノウハウを身につけられるからです。小学校での勉強内容に加えて中学受験のための勉強もするため、中学受験対策の塾に通えば効率よく受験対策ができます。

国立中学校受験は塾なしで合格するのも不可能ではありませんが、現実的には難しい場合がほとんどです。塾なしだった子どもは、受験対策のノウハウを持っていない状態で受験することになります。東京都の国立中学校の平均倍率は4.1倍程度のため、塾なしの子どもが塾に通っていた子どものなかで同じ入試を受けるのは、厳しい状態といえるでしょう。

基礎学力や基礎能力は、子どもそれぞれで異なります。子どもによっては塾なしでも国立中学校に合格できることはありますが、塾に通うことが一般的な国立中学校受験対策の方法となります。

塾の費用は?

羽の付いた紙幣

国立中学校受験を検討する場合、中学受験対策塾への通塾が一般的な対策方法となります。そこで気になるのが、塾の費用です。塾の費用としては、以下のものが考えられます。

  • 月々の塾の費用
  • 講習料
  • その他通塾にかかる費用

それぞれの費用がどのくらいになるかを解説します。

月々の塾費用

中学校受験のための塾には、放課後や夜間、休日などに通い授業やテストを受けます。月々の授業料としてかかる塾費用の目安は以下の通りです。

  • 4年生まで…2~4万円
  • 5年生…4~5万円
  • 6年生…5~6万円

また、入塾するときに入塾料として2万円前後かかることが多いです。塾によって少人数制、対面式重視、テストや模試が多いなどの特徴が異なります。塾によって費用も異なりますが、一般的に、受験本番である小学6年生の月々の費用は高くなる傾向です。小学6年生で国立中学校受験対策の塾に通う場合、月々の塾費用のみで1年間で50万円以上はかかることを覚えておきましょう。

講習料

夏休みや春休みなどの長期休暇中や、入試日直前の冬休みには中学受験対策の講習が開かれます。ふだんの通塾に加えて講習を受ける場合はもちろん、長期休暇中の講習だけ通塾さえたい親御さんもいるでしょう。

中学受験対策の塾の講習料の目安は以下の通りです。

  • 春期講習(春休み期間中)…4~7万円
  • 夏期講習(夏休み期間中)…16~19万円
  • 冬期講習(冬休み期間中)…5~15万円
  • 正月講習(年末年始期間中)…2~6万円

月々の塾費用に講習料をプラスすると、小学6年生の1年間で塾にかかる費用は120~140万円前後になります。

その他通塾にかかる費用

国立中学受験対策の塾にかかるのは、月々の費用や講習料だけではありません。通塾するために、以下の費用がかかります。

  • 教材や文房具費
  • テストの受験料
  • 交通費
  • 飲食費
  • 通信費

ほとんどの塾では、授業の際に使用するテキストなどの教材費が別途かかります。国立中学校は4教科受験が一般的のため、4教科分の教材費がかかると考えておきましょう。テキストや参考書の費用の目安は、毎回1万5,000~2万円前後です。勉強するときに使用するノートや文房具などの費用も発生します。

中学受験対策の塾では、定期的に実力テストや模試を実施しています。全国で子どもがどのくらいの位置にいるか、志望校への合格率をはかる上で有効です。実力テストや模試を受験する場合にも、受験料がかかります。費用の目安は、1回あたり5,000円前後です。

通塾する塾が徒歩圏内にない場合は、バスや電車などの移動手段を使うことになります。月々の交通費も発生することを覚えておきましょう。親御さんが車で送り迎えをする場合にも、ガソリン代や駐車場の料金が発生します。通塾する距離によっても異なりますが、交通費だけで月に1万円前後発生する場合もあります。

学校の帰りに直接、または一度帰宅してから通塾しても、授業は夜間にまでおよぶ場合もあります。空腹状態では塾での勉強が身に入らないため、授業前または休憩時間に軽食を取る場合が多いです。飲食代の目安としては、月5,000円前後を考えておきましょう。

通塾の際に連絡手段としてスマートフォンを持たせる親御さんも多いでしょう。交通機関を利用する場合、通塾中に動画などを見ることもあるかもしれません。通塾でかかる通信費についても考えておきましょう。

【国立中学校の受験対策はこちら】

国立中学校に合格するためには、まずその特徴や受験対策の方法をしっかりと把握することが重要です。国立中学校を選ぶ理由についてや、効果的な受験対策について解説します。

塾なしで中学受験する方法

学習机とノート

国立中学校受験のために通塾すると、小学6年生の1年間だけでも多くの費用が発生します。できるだけ中学受験対策にかかる費用をおさえたい理由から、塾なしで国立中学校受験を目指したいと考える親御さんも多いでしょう。

一般的には難しいですが、塾なしで国立中学校に合格することも不可能ではありません。塾なしで国立中学校の受験対策をする方法には、以下のものがあります。

  • 通信教育
  • 両親が教える
  • 家庭教師
  • 市販の教材
  • 調査書対策をする

通信教育

毎月決められた教材が自宅に届き、自宅で勉強を進める通信教育講座サービスも多くあります。小学校の勉強だけでなく、国立や私立の中学受験対策コースを設ける通信教育も増えました。通信教育の中学受験対策コースを受講し、自宅で勉強する方法があります。

サービスによって異なりますが、通信教育では以下の中学受験対策ができます。

  • 志望校別の対策
  • 提出した課題への添削
  • 志望校への到達度テストや実力テストの受験
  • タブレットなどを使っての映像授業、講習や面談
  • 受験情報の提供

届いた課題をただこなすだけでなく、提出した課題の添削や各種テストの受験ができるのも特徴です。自宅での勉強のほか、オンライン環境を利用しての映像授業や講習、面談なども受けられます。通信教育によっては、中学受験に関する情報を提供している場合もあります。

通塾の必要がないため、費用をおさえられ子どものペースで勉強しやすいメリットがあります。一方、自宅での勉強が中心となるため、通塾よりもモチベーションが保てなくなるデメリットがあります。子どもが勉強に集中できる環境を整えることも重要です。

ご両親がお子様に勉強を教える

親御さん自身が勉強を教えられる環境なら、国立中学校受験の勉強を自宅で教える方法もあります。大きく費用がおさえられる一方、親御さんにかかる負担が大きいのがデメリットです。子どもに勉強を教える時間を確保するだけでなく、親御さん本人が勉強したり、情報収集をしたりする必要もあります。共働き家庭などで時間の確保が難しい場合には、ほかの方法を考えなければいけません。

家庭教師

家庭教師は、子どもに勉強を教えるために自宅に派遣されます。中学受験対策コースのある家庭教師サービスや、中学受験に特化した家庭教師を利用するのも方法のひとつです。

中学受験対策の家庭教師には、以下の特徴があります。

  • マンツーマンで指導が受けられる
  • 自宅で勉強できる
  • 中学受験対策ができる
  • オンライン講習を設けているところもある
  • 家庭教師との相性が合わない場合がある
  • 費用が高い場合がある

家庭教師のメリットが、子どもにマンツーマンで指導を行うことと、自宅で勉強できることです。勉強の上で疑問点が出ればすぐに質問できるので、着実に実力を伸ばせます。慣れている家庭環境で、リラックスしながら勉強を進められます。中学受験対策のための家庭教師なら、志望校合格のための対策をしっかり行えるのもメリットです。サービスによってはオンライン環境を利用した講習を開催している場合もあります。

一方、派遣される家庭教師が、子どもと相性が合わない場合もあります。サービスによっては家庭教師の交替に対応しているところもありますが、子どもに合う家庭教師が見つからないこともあるでしょう。また、サービスによっては塾と同じくらいの費用が発生する場合もあります。

市販の教材

私立の中学校受験は難問も多く、中学受験のための知識や勉強も必要になります。一方、国立中学校は基本的な問題が中心のため、市販の教材を使って塾なしで受験対策をするのも方法のひとつです。

市販の教材を使う場合、子どもの苦手なものや志望校合格対策となる教材を選ぶ必要があります。費用はおさえられ、子どものペースで勉強が進められるメリットがある一方、教材選びが難しいのがデメリットです。

調査書対策をする

国立中学校受験では、入試の成績以外にも調査書によって合否が決まります。塾なしで国立中学校受験を目指すなら、以下の調査書対策をしておくのも重要です。

  • 小学校生活の基本を守る
  • 集団生活を重視させる
  • 学校外活動を先生に伝えておく
  • 作成は余裕をもって依頼しておく

調査書とは、受験時入学願書とともに提出を求められる書類です。小学校の担任の先生に作成を依頼します。調査書は出席日数、学校の成績、学校での様子などが記載されます。調査書の内容が評価の対象になるため、以下の学校生活の基本を守って過ごすのが重要です。

  • 授業をしっかり聞く
  • 提出物は忘れずに出す
  • 忘れ物をしない
  • 学級活動、クラブ活動などにも積極的に取り組む
  • 欠席をしない

学校生活でしか身につかない、集団生活を重視した行動を心がけるのも重要です。また、習い事での評価や資格取得など、学校外活動が評価の対象となる場合もあります。記載内容の指定はできませんが、学校外活動などの実績があれば学校の先生に伝えておきましょう。

調査書は、学校の先生が忙しい時間のなかで作成します。できるだけ早めに作成を依頼しておきましょう。志望校によって異なりますが、小学校5~6年の2年間または4年生からの3年間が、調査書の対象です。

模試で課題の洗い出しやモチベーションアップに

スムーズにステップアップ

塾なしで国立中学校受験を目指すうえでは、以下の三大模試の活用が必須となります。

  • 四谷大塚「合不合判定テスト」
  • 日能研「センター模試」
  • 首都圏模試センター「統一合判」

異なる会社が実施している模試のため、受験生の層も異なります。模試を受けることで、中学受験への洗い出しやモチベーションアップにもつながります。とくに小学6年生になったら、子どもの実力を把握するうえでも積極的に三大模試を受験してみましょう。

直前対策にはディスカバリー出版の志望校別対策問題集がおすすめ

5冊の問題集

子どもが今まで頑張ってきた国立中学校受験を成功させるには、直前の対策も重要です。直前対策におすすめなのが、ディスカバリー出版の志望校別対策問題集です。志望校別の問題集になっていますので、必要な対策ができ入試直前の得点力アップにもつながります。

問題についてはつねに最新版に改定、過去問題などの入試情報も豊富に掲載されています。志望校が決まったら、ぜひ一冊手元において、確実な合格につなげましょう。

志望校別・中学校受験対策問題集 中学受験の過去問傾向対策・志望校別対策問題集なら受験専門サクセス

塾なしの国立中学受験成功は対策が重要

塾に通うのは、経済的な負担が強いられますが、子どもにとっては一定のモチベーションを保つことができるようになり、集中できる環境で他の子と一緒に効率よく学力アップを目指せるというメリットもあります。

塾を利用しなくてもできる受験対策も紹介しましたので、お子さんに合わせた学習方法を一緒に考えてみましょう。

私立との併願を検討していて、国立との違いや受験費用を知りたいという方は、以下の記事にて詳しく解説しています。私立中学で利用できる助成金制度についても詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。